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仁坂吉伸の思い

記録抹消の刑

2013年03月11日

 古代ローマで政治リーダーに課せられる最も厳しい刑罰は、死刑でも島流しでもなく、記録抹消の刑だそうです。ローマの勃興から、滅亡までを延々と描いた塩野七生さんの「ローマ人の歴史」に出ていました。歴代皇帝でこの刑に処せられたのは、ほんの2,3人しかいません。ローマ帝国のあらゆる文書から、その皇帝の事跡だけが削除されてしまい、歴史から消されてしまいます。
 彫像なども、顔がこぼたれ、土台から撤去されることもあります。さすがに名誉を重んじたローマ帝国の人々という感があるのですが、この間県庁正庁の壁に掛かっている歴代知事の肖像画又は肖像写真を見ながらそう思いました。最近木村前知事の肖像写真が西口元知事の肖像の横に掲げられたからです。木村前知事の犯罪を巡って和歌山は大揺れに揺れました。名誉を傷つけられたと思った県民は、就任直後の私に対して、とにかく木村さんにまつわる話は全部否定し、否定するどころか、和歌山県政史上消えてもらってくれと言うような要求がたくさん参りました。例えば、木村さんの名でもらった賞状や感謝状は名前を見ると不愉快なので、あなたの名前でもう一度発行してくれないかというようなものも多くありました。
 そのうちの一つが、県庁正庁に掲げられている歴代知事の肖像の仲間入りをさせるか否かという論争でした。一時はマスコミの大変な関心事であり、マスコミや県民の皆さんからそもそも木村さんの肖像を掲げるのですか、いつ決めるのですかということをしょっちゅう聞かれました。私はこう思いました。木村さんは逮捕されたとは言えちゃんと選挙で選ばれた人だし、その事跡も、私にとってどうかと思われることも、少し手を抜きすぎていたのではないかと思われることもあるが、評価すべき事もやっているし、第一、良い事も悪い事もそれが和歌山の歴史そのものではないかと。だから、当然肖像を掲げるべきだと思うが、ただ今損害賠償で県と係争中なので、これが片付けば、掲げたい。ただし、お金がかからないように、画ではなく写真としたいと申し上げていました。損害賠償は昨年7月県の完璧とも言える勝訴で結着しましたので、8月から肖像写真が掲げられています。
 和歌山では県民皆がいい事が起こるようにと務めるべきなのですが、実際に良からぬ事も起こります。しかし、良い事にも、悪い事にも目をつぶることなく、これを直視し、悪い事は反省して再発を防ぐように様々な工夫をしつつ、いい所はどんどん伸ばしていかなければなりません。やはり、記録から抹消してはいかんのです。
 しかし、よく見ると、秘書課長が選んだ肖像写真は実によい出来栄えです。若々しく、かつとても犯罪を犯した人には見えません。いつか私の肖像がその隣に掲げられる時には、私は、知事の激職に疲れてげっそりやつれて写っているのではないか、見劣りしそうだなあ、困ったなあと思いました。

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