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仁坂吉伸の思い

インドに行って来ました

2013年10月14日

 10月6日から12日にかけて、インドに出かけ、ムンバイ(旧ボンベイ)を中心とするマハラシュトラ州と和歌山県で相互協力の協定を結んできました。

 インドは、13億人という膨大な人口を擁する国で、世界の中でも、今や成長セクターとして最も注目されている国です。
 人口は13億人同士で中国とほぼ一緒ですが、一人っ子政策を続けてきた中国がこれから高齢化社会を迎えるのに対し、産児制限は宗教的理由でとらないインドは人口が爆発しつつあり、あっという間に世界一の人口を有する国になります。
 人口が多いという事は、それだけの人々をどうして食べさせて、生活させていくかという難問を常に有しているという事ですが、うまく経済運営をすれば豊富な労働力と膨大な需要を生むという事ですから、経済成長には極めて有利という事であります。しかも若い世代が圧倒的に多いので、これから生産年齢人口がどんどん増えていく、いわゆる人口ボーナスにも恵まれているという事です。しかもバンガロールに一大IT産業の基地が出来ているように、数学的才能に恵まれた人が結構多くて、これからの世界経済を考えていく時には、最も重視しなくてはならない国の一つであります。

 また、もちろん貧富の差もものすごくて、多くの人々は貧困の中にあるのですが、例えほんの数パーセントの富裕層と言えどもベースの人口がものすごいので、絶対数としては、かなり大きな富裕層がいるという事であります。そういう人達は、日本の生産する高級な産物を消費してくれる可能性があるし、日本の事業者と組んでビジネス展開をしてくれる可能性があるし、世界中を旅行して回っているだろうから、日本にも来てくれる可能性があるという意味で、まさに狙い目なのであります。また、アジアが世界の成長セクターであるという点は揺るぎないとしても、同じく、重要な国中国が外交、内政で多くのリスクがあるという事が分かってきた中で、日本企業としては、リスク分散という意味でも東南アジア諸国と並んでインドとどう付き合っていくかという事が大きな課題になりつつあります。

 和歌山県ももちろん同様で、どうやって和歌山県の産品、工業製品や農産物をインドに売り込むか、世界へ向けた生産基地としてインドとどう付き合うか、そしてインド人の富裕層をどうしてこの和歌山に来てもらうことが出来るか、この3点が課題であるとともに大きなチャンスであります。

 そういう時に、昨年の3月に当時在大阪・神戸インド総領事であったヴィカース・スワループさんが表敬訪問に来てくれました。橋渡しをしてくれたのが、田辺市在住の藤本知子さんとスニル・チャコさんのご夫婦でしたが、私は、この総領事は頭が良くて立派な人だなあとすっかり共鳴しました。そのヴィカース・スワループさんがマハラシュトラ州と和歌山で姉妹州県となって協力関係を結んだらどうかと言ってくれたのです。(実は後で分かったのですが、この人は外交官であるとともに小説家で、有名な映画「スラムドック・ミリオネアー」の原作者でもあります。)
 
 私は先述の通りインドの重要性はよく認識していましたし、インドの中でマハラシュトラ州の重要な位置付けはよく分かっていましたので、これは大変にいい話だなあと直観しましたが、逆に、そんなものすごいマハラシュトラ州が和歌山県を相手にしてくれるのかなあという疑いも持ちました。何せ、マハラシュトラ州はインドの中北部西岸の大変力のある大きな州で、広さは、和歌山県の約65倍、人口は1億1千万人、州都ムンバイの人口は約1250万人でインド最大の都市であります。ムンバイはインドの経済の中心で、大企業がごっそり本社を構えているだけでなく、インド中央銀行がここにあって金融の中心、さらにはボリウッド(ボンベイのハリウッドという意味)という名で知られる世界1の映画産業の中心、食料生産の面でもぶどう、マンゴー、梨、柑橘類などの生産量がインドトップクラス、エローラ・アジャンタなど世界遺産もある、といった、インドで狙うには文句なしに最大のターゲットなのです。

 そうは言っても、インド側から出た話ですから乗らない手はないと思って、早速企画部の国際部門担当の諸君に「これは乗った。だけど本当にそんなことが可能かよく調べてくれ」と指令を出しました。その後1年半、文化国際課の諸君はこのために大いに努力してくれました。調べてみると、インドでは、この手の姉妹関係を結ぶというのは日本で普通考えているのよりもずっと大変なのです。第一に相手の役所が巨大で、しかも、結構いわゆるお役所仕事で、仕事も色々と手続きがある上にスピードが遅いし、ある人が進めたいと思っても中々下の人とか他の部局とかが動いてくれません。また、地方政府のこういった友好協力関係といった約束事も、いちいち中央政府の承認が要るのです。そう言ったわけで、これまでインドと日本で州県ベースで約束事を結んでいるのは2つしかなく、広島県と福岡県があるだけです。
 最有力のマハラシュトラ州との関連では過去いくつかの県がうまく行かず、結局ギブアップになってしまったこともあるそうです。しかし、我が国際チームは一生懸命やってくれました。課長の津井君は、今回を入れて3回、担当の山下君は4回もマハラシュトラ州を訪問して、色んな人と折衝して話を進めてくれました。またインドの総領事館はもちろん、日本の外務省、大使館、ムンバイの総領事館も応援してくれ、州政府では以前和歌山を訪問してくれたチャガン・ブジュバル観光大臣が熱心に担いでくれました。また、ヴィカース・スワループ前総領事はもちろん、マハラシュトラ州選出のD.P.トリパティ議員や、二階元経済産業大臣のカウンターパートであったカマル・ナート現都市開発大臣も仕事の遅い中央公庁に大いに働きかけてくれました。(マハラシュトラ州訪問の後、こういった恩人達にお礼を言いにデリーを訪問して来ました。)本件提唱者の一人であるチャコさんの活躍も特筆に当たります。

 そうして、ようやく、この10月の和歌山県ミッションの訪印、訪マハラシュトラに至ったのです。ミッションには、産業界から特にインドに関心の高い製造業、観光業など4社、さらには、インド人の観光客の誘致先として最有力の高野山からも、土生川元法師をはじめ8人の僧職の方々が同行してくれて、重要なイベントにお声明を唱えて下さって色を添えてくれました。
 
 ハイライトは何と言っても「観光交流、食品加工、企業間協力にかかる覚書」の調印でありまして、10月9日私と州首相のプリスヴィラジ・チャバンさんとの間で取り交わしました。内容は別紙のとおりですが、具体的な内容としては、相互の観光交流、投資などの産業交流、そして食品加工技術交流の3つが特記されていますが、これに留まらず、行政府スタッフの相互研修とか青少年交流とか、高野山などの宗教界の交流とか広範な部門に相互交流が拡がっていけばよいと思います。私はその調印の席で、和歌山はマハラシュトラ州の人々が日本に進出する際にゲートウェイ(Gateway)となることを宣言する。マハラシュトラ州も和歌山の我々がインドに進出する際のゲートウェイとなってもらいたいと発言して歓迎されました。
 その場で盛り上がった具体的な話は、インド独立建国の時ガンジーと並ぶ偉人で、インド憲法の父と言われるマハラシュトラ州の英雄であるアンベドガー博士の銅像を高野山に建てさせてほしいということで、私も、高野山関係者も一も二もなく賛成で、私からはガンジーさんに比べると日本ではアンベドガーさんの知名度は低いが、多くの人がお参りする高野山にアンベドガーさんの銅像があることによって、まさに和歌山をゲートウェイとしてアンベドガー博士の偉業が日本中に伝わることになるとうれしいという話をして喜ばれました。
 また、有名な世界遺産アジャンタの石窟の再整備には日本の国際協力機構(JICA)を通じて日本の経済協力が大いに貢献しているのですが、その一つがかの地にある広大なビジターセンターで、ここと、田辺市本宮にある世界遺産センターが協力関係を持ってお互いにお互いのPRをしようという話になりました。
 さらに、ボリウッドの映画のロケ地として和歌山の各地が選ばれたら、ロケ地詣での観光客が世界各地から訪れてくれるきっかけとなるので、是非ボリウッドとよしみを通じようと思い、この調印式の翌日、私は州政府の協力もとボリウッドを訪れ、映画産業協会の理事長やその兄で世界的に高名なマハシ・バット監督とじっくりと話し込んで、ロケ地として、日本の精神性を最も表している高野山を始め和歌山をPRしてきました。
 
 12ものテレビカメラが並んだ調印後の共同記者会見で言ったように、和歌山県とマハラシュトラ州の協力関係は、始まったばかりです。大きく育つかどうかは、これからの双方の努力によっています。しかし、和歌山県はおそらく世界一の成長セクターのインドのその中心部マハラシュトラ州にくさびを打ち込みました。そのルートを使って、世界に雄飛しようとする和歌山の事業者の皆さんは、このチャンスを大いに生かして下さい。

別紙
                       (参考訳)
    インド共和国マハラシュトラ州と日本国和歌山県の相互協力に関する覚書

インドのマハラシュトラ州ムンバイ市に本拠を置くマハラシュトラ州政府および和歌山県和歌山市小松原通1-1に本拠を置く和歌山県庁を、以下、両者という。

両者は、それぞれの権限、機能、手段に基づき、両機関(マハラシュトラ州政府と和歌山県庁)の間における関係強化および観光、投資分野における相互の経済関係を促進・拡大することを目的とし、以下のとおり合意した。

1. 両者は、相互の経済成長、雇用創出に資するよう、相互の観光分野拡大において、両者が保有する機関を通じて協力する旨合意する。

2. 両者は、相互の経済成長、雇用創出に資するよう、既存の枠組みを通じて県州内企業間の農産品と食品の加工分野での促進について合意する。

3. この覚書に基づき提供された情報は、情報を提供した当事者の承諾を得ている場合を除き、極秘事項とする。

4. 両者は、誠意を持ってこの覚書を履行することとする。ただし、両者はいかなる法的義務も有さない。

5. この覚書を改正または補足する場合は、両者による協議・同意の上、それぞれが書面に署名を行うこととする。

6. この覚書は両者の代表の署名により発効し、期限は5年間とする。その後の更新は、両者の書面による同意によるものとする。両者は、相手方に対して、少なくとも3ヶ月前に書面で通知することにより、当該覚書を終了させることができる。この覚書は、2013年10月9日、英語及びマラティー語により署名された。

マハラシュトラ州政府を代表して             和歌山県庁を代表して

マハラシュトラ州首相                    和歌山県知事
プリスヴィラジ・チャバン                   仁坂 吉伸
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