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仁坂吉伸の思い

空気

2013年12月16日

 山本七平さんの著書に「空気の研究」というのがあります。日本人は「空気」にすぐ従うというのです。空気とは、その時々の圧倒的に主流となっている考えとか、ムードとか、大勢とかいう言葉とも置き換えられると思いますが、一旦空気が決まったら皆が従って、それに異を唱える者はあまり快く思われません。聖徳太子の昔から「和を以て貴しとなす」我が国の風土の面目躍如たるものがあります。
 戦前で言えば時の空気であった「聖戦」に反対する者は迫害されましたし、戦後空気が「反戦平和主義」になると、ミリタリーバランスとか抑止力とかを語る人はあまり好かれません。空気はどんどんと生まれ、最近では、「公共事業はとにかく悪」、「政権交代」、そして「地球環境問題の解決のためには化石燃料を極力減らす」から今度は一転して「反原子力」などなど時々の空気に沿わないと人にあらずというような風潮があります。そして、それに敢えて反する論陣を張る人には「空気を読めない人=KY」というレッテルが貼られるのです。
 これらの空気には、私は、大いに真実が含まれていると思います。我々が耳を傾けなければならない現実と論理があります。しかし、一方でそれだけを重んじていたら我々が陥るかもしれない不都合な現実もあると私は思います。我々は空気の持っている真実の意義は十分理解しながら、そのまま浸ってしまう危険もまた十分考え、どの辺に選択すべき解があるかをよく見極めなければなりません。特に皆から選ばれた政治の責任者はそうだと思います。そう思ってたとえKY知事と言われようとも頑張って最善の解を県民の皆さんに説明できるようにしていきたいと思います。

 私は、かつて「KY知事」と言われ続けました。数年前、「公共事業は悪で、高速道路を作ってくれなどと言うのは今の時代にそぐわない」という空気が濃密であった時、和歌山の高速道路の建設は何故必要かを証明して、世に言い募ったからです。また、政権交代ムードが高まる中、飛ぶ鳥を落とす民主党に尾っぽを振らないのはKYだ、と批判され続けました。
 しかし、私は空気など読んでたまるか。何のために空気を読もうとするのか。単に自分の今の地位を安泰にするためではないか。県にとって正しいと思う事を主張することを抑えて身を保ってもそれが何になるのだと思っていました。政権与党にはきちんと理を説明しなければなりませんが、言うべき事を抑えてすり寄っても、県にとって有利な取り扱いを獲得するなどできません。ほとんどの政策決定は、政治の数の力があっても理に反する事は中々できないからです。
 その後数年が経ち、世の中はどうなったでしょう。前の空気は消え去り、また新しい空気が生まれています。あの時KY知事と言って批判した人は今どう思っているのでしょう。

 改めて申し上げます。空気の中には傾聴すべき多くの真実があります。政治はこれを十分尊重せねばなりません。しかし、空気によって隠されている空間には、この空気に浸り切る事によって生じる多くの不都合があるという事もまた肝に銘じておかねばなりません。あちらからこちらからよく考え、自由闊達に議論し、そして、全部を勘案して最適解を見つけなければなりません。

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