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避難勧告等の発令基準
2014年04月21日
4月8日、内閣府は「避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン」の改正を発表し、これをもとに全国の市町村が災害時に適切な避難勧告や避難指示ができるように指導をしていこうという事になりました。
災害が起こりそうな時、いつどういうタイミングで避難勧告・指示を出すかという事は災害対策基本法でその責を負っている市町村にとって大変難しい問題です。
現に、実際に災害が発生している中で避難指示を出して増水した川によって避難行動中の人々が亡くなった例もあるし、避難勧告等を出すタイミングが遅れ、出すべしと決した時にはもうあたりは真っ暗で、ジャンジャン水があふれている状態なので、出したら余計危ないので出せなかったという例もありました。一方大雨が降るとの天気予報を信じてうんと早い段階で避難指示を出したら、雨が降らず住民にさんざん苦情を言われたという例もあります。
現に紀伊半島大水害の時も、このような葛藤と混乱が市町村にはありました。そこで、和歌山県では、災害の復旧に努めることと並んで、このような避難勧告等の発令基準をもっと明確にあらかじめ決めておいて、市町村がそれに依拠して適切に勧告や指示ができるようにしようと考えました。
当時ただでさえ大水害からの復旧と新たな脅威である地震津波への備えで多忙を極めていた危機管理局の職員が自分たちで発意して、苦労を重ねた結果、和歌山県の「避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成のモデル基準」を策定しました。この内容は先の大水害の経験を生かして、避難勧告等を出す場合の基準として「問題となる河川の上流の流域平均累加雨量が○○mm以上で、さらに天気予報で△△mm以上の降雨が予想される場合」といった形でかっちりとした数値を伴う発令基準を決めておこうというものです。県の基準では、現地からの報告とか、勘に頼った発動ではなく、気象情報、降水短時間予報、流域雨量指数などを活用して発令基準を数値化しました。
また、夜間の避難行動が特に困難という事を考慮した時間別配慮も加えましたし、データはどこから取得するかといった情報提供サイトに関する情報なども特定していきました。また、市町村内の大きなくくりで機械的に発動するのではなく、地形等によって適切な小単位のグルーピングを進めたりもしています。また、大河川氾濫時に排水ポンプの停止が起こっている等の内水の氾濫の状況に関する配慮等も基準の中に明記し、暴風等を考慮した前倒しの避難勧告等の発令なども規定しています。さらに避難勧告等の解除が早期に流れて危険なことにならないような配慮や、卑近な例では、住民への伝達の表現に、切迫している時はそれをよく示すような緊迫感のある表現や命令口調を使うように促すなど芸の細かいところも見せています。
和歌山県はこの基準を2012年10月に完成させ発表し、県内の市町村に、この基準をもとに、それぞれの避難勧告等の発令基準を作るように要請をしていたところですが、内閣府でも全国版としてそのようなガイドラインの見直しをしなければならないと考えた時、かねて懇意の職員がこの優れた和歌山基準をモデルとして、検討の場に持ち込み、「これはよい」と、全国版のガイドラインに和歌山基準をほぼそのまま採用して避難勧告等の発令基準としたのでした。
紀伊半島大水害の際には、内閣府をはじめ政府の各省庁が本当に親身になって和歌山の復旧・復興を助けてくれたのですが、今回こういう形で和歌山県の自主的な努力が全国のお役に立てた事で、多少とも恩返しができたのではないかと大変誇りに思います。
ただ、和歌山県は、もう一段の工夫をしています。というのは、この数値化のもとになる気象情報はメッシュが粗く、詳細情報が中々分からない気象台の予想発表ではなくて、気象庁の外郭団体の気象協会の提供情報によっているからです。これは有料でありまして、政府が不十分な情報しか出さず、より高度な情報は外郭団体からの有料サービスだというのは「命の沙汰も金次第」かと大いに気に入らないのですが、県民の命を守るためには、背に腹は代えられないので、これを購入しているのです。したがって気象台予測で粗く数値化していく内閣府ガイドラインと違って和歌山県の基準ではもっと緻密に数値化を行うことができ、これを用いてより正確な避難勧告等ができるという事になるのです。このように、和歌山県は、県民の命を守るため全国の範となるような仕事をしてきました。ただし、この基準は、これをもとにして実際に避難勧告や指示をする役割の市町村当局が、自らの発令基準を早く作り、それをしっかりと我が物として使いこなしていく必要があります。
県民の命を守るため、皆がそれぞれの立場で頑張りましょう。
