間に合うはずだ

国体までにという合言葉のもと、京奈和自動車道やすさみまでの近畿自動車道紀勢線の工事が急ピッチで進んでいます。長い間放置されていた和歌山市内の都市計画道路や県内を結ぶX軸ネットワークや川筋ネットワークも大分できてまいりました。多くの県民の方々が喜んでくださいます。しかし、このような道路はできればいいというものではありません。この道路ができ、その結果、県民生活や経済活動の効率性が上がり、全国のネットワークにつながることで、企業立地の条件も格段に良くなり、農林水産物も運びやすくなり、人々の活動が活発になって地域が元気になるというのが主眼です。

ただし、和歌山県については、心の中に深刻な心配もあります。あまりにも長い間、このようなインフラの不備で地域の競争条件が悪かった結果、だんだんと衰退が進み、有為な若者が流出してしまって、ようやく条件がよくなった時には、県民の潜在力が衰えてしまっているのではないかという事です。ずっと昔から先を見て、強力に推進していかなければいけなかった案件を、今がまあまあいいからと放置しておいた科がのしかかってきているような気がします。

しかしながら、私は本来楽観主義者です。必ず間に合うはずだと信じています。確かに歴史をふりかえると、和歌山県民は少々油断をしやすいようです。しかし、うんと調子が悪くなると、一大発起して頑張ってまいりました。戦後の焼け野原からの復興も全国よりもずっと早かったと思います。条件さえ整えば、優秀な県民の力が大爆発するはずだと信じています。まだ間に合うはずだと信じて、県は将来の和歌山県民のために必要な事業に全力を尽くします。

また将来のために間に合わせないといけない仕事も多々あります。地震・津波から人々の命を守る対策も、水害が起こらないような河川の改修などの工事も、起こってからでは遅いのです。焦る気持ちです。

まだ間に合うはずだと気力をふりしぼって、頑張っていきたいと思います。