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仁坂吉伸の思い

ローマ人の物語

2015年03月30日

 塩野七生さんの傑作に「ローマ人の物語」というのがあります。ローマの建国から、発展と衰退、そして西ローマ帝国の滅亡まで全15冊、文庫本にすると43冊の大著ですが、大変興味深い話がどんどん出てきます。

 ローマ人が長く繁栄できたのは、勝者の寛容だなどはその最たるものですが、歴代の指導者や皇帝の事跡も大変心打たれるものがあります。

 その中で私が特に共感するのは、カエサル、アウグストゥス、トライアヌス、ハドリアヌスなどあの広大なローマの版図を軍団を率いて東奔西走、次々起こる問題を解決するために駆けずり回る皇帝たちの姿です。辻邦生氏の「背教者ユリアヌス」に描かれているユリアヌス帝の姿もこれにつながるものでしょうか。何から何まで大変だよなあと、少し身につまされる同情をしてしまうのです。その中でカエサルの言葉にすごく心打たれる言葉があります。「人々は見たいと欲する現実しか見ていない。」

 和歌山には多くの見所があります。県政でも他を圧して先進的な事を上手にやっている所もあります。しかし、そういう所をマスコミはあまり報じてくれません。和歌山にはパンダが7頭もいて、芝生の上でのびのびと遊んでいて、その中には最近生まれた双子の赤ちゃんパンダもいて、さらには実はもう8頭も、生まれて育てたパンダを中国に返しているのだというのが現実なのですが、それにもかかわらず、日本のマスコミでは、上野にパンダが来たというと全国紙の一面トップの記事になり、赤ちゃんが出来たというとまたそうなり、さらにはその赤ちゃんパンダが死んでしまったというとまたそうなるというのが現実です。白浜のパンダは一度もそういう扱いを受けた事はありません。

 政府から日本全国の推奨モデルとして奨励されている風水害の時の避難勧告指示モデルは和歌山県の危機管理局がまず独力で作り上げたものだなどという事は、全く報じられません。廃墟片付け条例(景観支障防止条例)も、わかやまジビエ肉質等級制度も、一時の通産省にも凝される県独自の産業育成助成制度も全国に報じられる事はありません。
 報じられるのは、不祥事と田舎田舎してほのぼのとする情感が漂う地域の活動ばかりです。
 現実がないのではありません。全国のマスコミは、見たいと欲する現実しか見ようとしないのです。

 これは和歌山にとって残念な事です。我々は必死で努力して、和歌山の良い所をアピールしているのですが、中々成果が上がりません。少し上がっても、一度、紀の川市の少年刺殺事件のような、全国的に珍しく、大変と思われる事件が1つ起こったら、すぐに消し飛んでしまいます。

 でも、我々は嘆いていても仕方がありません。辛く大変な事だけど、和歌山を売り出すためには、和歌山の良い所をマスコミの人々にも見たいと欲するように色々と工夫をしていかなければなりません。苦難は続きますが、県庁中力を合わせて人々が見たいと欲するように働きかけをしなければなりません。全く不可能な事ではないのです。
 我々は東京で「そろそろ和歌山へ行ってみよう」「いよいよ和歌山へ行ってみよう」キャンペーンを毎年やってきました。その結果、和歌山のパンダに対する東京都民の認知度がキャンペーン前の30%から70%以上に跳ね上がりました。人々が認知してくれたら、人々が見たい、行きたいと思ってくれたら、マスコミは人々の見たいと欲する現実を熱心に見せてくれるはずなのですから。

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