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仁坂吉伸の思い

津波災害復興計画の事前策定

2016年02月22日

来年度の新政策で、標記の政策を一つ加えました。
南海トラフの地震津波は必ず起こるから、まずは一人の命も失くすことなく人命を守ることが大事で、人命救助が終わったら次は早期復旧と早期復興だと思っています。特に後者については、被災者は、被災直後は日本人特有の道徳性を持って秩序正しく行動し、皆で助け合いながら、復旧、復興への意欲を強く持って生活していることと思います。現に東日本大震災を経験した東北でも、紀伊半島大水害の直撃を受けた和歌山でも全く皆さんはそのように行動してくれました。しかし、紀伊半島大水害の後、人命救助に一段落がついた後、県の災害対策本部長である私は、とにかく復旧を急ぎました。一刻も早くを合い言葉に、県庁が一丸となって走りましたし、国にも協力を求め、JRや電力会社、通信会社にも少し失礼かなと思うような勢いで早期復旧を迫りました。
道路啓開、道路復旧、河川の修復、強化、瓦礫の片付け、産業活動の再開、みんなそうです。
なんで私がそんなにはちゃりきになって急ぎまくったかというと、時間が経つと、人々の復興への意欲が衰えてしまうと思っているからです。本当の意味での復興がうまくいくかは、そこにいる人々が意欲を持って働き、暮らし始めるかどうかです。だから、ハードウェアの復興ができても、時間がかかりすぎると人々の気力が萎えてしまって、地域は元に戻りません。そういう計算で、とにかく復旧、復興を急ぎました。61名の尊い犠牲者の命は戻ってこないけれど、ごく短期間で和歌山の被災地に生活が戻ってきたのはこういう事情があります。

最近テレビなどで、東北の被災地の復興計画が実現しつつあると言うことが報じられるようになりました。新しい区画ができたり、港、堤防、道路などがきれいに整備されてきました。しかし、見た限り、人々の息吹が画面からあまり感じられません。その辺どうなっているのだろうと思っています。
南海トラフの地震、津波が起こった時は、その影響の程度は、紀伊半島大水害の比ではありません。だから大水害の時の復旧、復興と同じようにうまく行くとは限りません。しかし、そのポイントは「早く」と言うことであり、その理由は人々の心が萎えるからであることには変わりはないと思います。

従って、復旧、復興のポイントは一日も早く人々に元のような生活に戻ってもらうようにすると言うことです。実は私は被災された方は元の地所にまた自宅を再建していただいてもいいんじゃないかと思っています。どうせ大地震は100年は来ないのですから。逃げることさえできれば、そして命だけは助かるのなら、家は3世代かけて100年間で再建したらいいではないかと思うのです。しかし、たぶん実際に起こることは、そういうまた被害に遭うかもしれないところに家を再建してもらっても良いか悪いか、果てしない議論が続くと思います。そして、その議論が収束するまでは、再建、復興は一切進まず、仮設住宅住まいなどが長く続く中、復興へのたぎるような情熱は人々の心から段々と消えていくのではないでしょうか。

だから、私は、復旧、復興はこうしようと、地域単位であらかじめよく議論をして復興計画を決めておくべきだと思います。そして人命救助の終わった後、速やかにその計画に沿って復旧、復興を進めればよいのです。素早く復興が進んでいけば、人々の心は萎えることはありません。その際、その地域には平時では解決不能な問題もあるでしょう。
町の真ん中の中心的な道路が余りにもせまくて、曲がりくねっているので、町が不便で仕方ないとか、本当は下水を入れなければならないが、住宅が密集してしまって工事もできないとか、町の中の家のかなりの部分は住む人もいない空き家になっているとか、様々な問題があるでしょう。津波にさらわれて壊れてしまった町は、再建の際こういう問題を一挙に解決するチャンスです。それに、全部破壊されているのですから立ち退きなどしなくても、さっさと工事が完成します。

したがって、まだ被害の出ていない現在、仮に地震、津波で町が破壊された時、どうやって再建するか、地図を書いておくことがとても役に立ちます。
1923年の関東大震災で東京は壊滅的な打撃を受けました。その時、内務大臣であった後藤新平は、復興に際して、東京を世界的に見て近代的な町に作り直すべく、帝都復興計画を早期に作り、それを実行しました。先の大戦で、焼け野原になった名古屋では、復興に際して、それまで細かった道路をうんと広げて、今の名古屋の堂々たる町並みを作り上げました。これらは、すべて災害が起こってから、大変有能な人が出て、強烈なリーダーシップのもとに実現したことであります。でも今は民主主義の世の中です。コンセンサスがとても大事です。また、危機の時代に卓越した能力を持った人がいつも出るとは限りません。したがって、まだ被害の出ていない今、仮に被害で町が破壊されてしまったら、どういう町に作りかえるかを考えておくことがとても大事であります。

そして、皆で決めた計画は、町の金庫に入れておきます。時代の変化に合わせ、その都度修正をしていったらいいでしょう。そして、ついに大災害が起こった時、他地域では復旧、復興のあり方を一から議論している時、和歌山ではいち早く復興の槌音が響くことでしょう。それが、この地で、我々が千年、万年と生き続ける知恵であります。

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