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仁坂吉伸の思い

つじつまは誰が合わせるのか

2016年03月21日

県知事をやらしていただいていてよく思うことは、「自分は本当につじつま合わせ役だなあ」という事です。県政は和歌山県に関する事すべてに関係します。そこでは多くの政策目標がありますが、大体の場合は、それらは、いわゆるトレードオフの関係になります。あちら立てればこちら立たずの関係と言ってもいいと思います。一番典型的な例は、あんまりあれもしたい、これもしたいと県の歳出を増やしすぎると財政破綻になって、結局は県民の皆さんに負担をかけるという事です。反対に財政の健全化ばかり考えて消極的過ぎる政策を続けていけば、地域は段々と廃れていって歳入も減るから余計財政もつらいという事になるでしょう。

他にもたくさんの例があります。ある政策を追求すると他の政策目標からすると不都合な事実がいっぱい顕在化して参ります。従って、私のような人間は、いつもそれぞれの政策の作用、反作用をよく考えて、最適のバランスの解を見つけていくという事をしています。簡単に言うと、いつもつじつま合わせをしているわけです。
この間また、大津地裁の判決が出て、裁判長殿が安全性確保のための原子力規制委員会の安全基準が正しくない、安全確保のための努力も説明も不十分だと原子力発電所の運転を止めよと言いました。私は、これをどう思うかと言われたので、安全の確保は大事だが、全ての事にリスクはあるのだから、裁判長も神様のように何でも分かるわけではないので、専門家に委すということでいいのではないか。原発が止まると、日本一高くなっている和歌山を含む関西の電気料金が下がる見込みが遠のいたので辛い。特に電力コスト高で経営が苦しくなっている中小企業が心配だと言ったわけです。そうしますと、案の定、安全をないがしろにする経済至上主義の輩だ、そんな恥ずかしい者は早く辞職せよ、という批判がまいっています。私は、要するにどこでバランスを取るかということだと思うのですが。
また、都市の衰退を止め、優良農地を少しでも後世に伝えようと昨年の8月に「守ります、まちと優良農地」という政策発表をしたのですが、農地を売りたい農家への配慮がない、それぞれの役割を担う人々の判断にまかせるべきだという批判が県議会であり、これは、なるほどという面も多いので、8月の政策を撤回して、代わりにこういう風な希望を表明することにするという発言を行いました。これもある意味ではバランスの変更というつじつま合わせなのかもしれません。

このようなつじつま合わせは、県の仕事に特有なことではありません。国でも市町村でもおよそ行政というものにはつきものですし、会社の社長さんもいつもこれで悩んでおられることと思います。

その点、あれはいかん、これはどうしてくれるのだと指摘をし、警鐘を鳴らす人、すなわち議員さん、ジャーナリスト、評論家、抗議する人などは、言いたい方向から言いたい事を言えるのでいいなあ、別の方向からすると別の指摘、批判ができるんだがなあと思うこともあります。それに対して、その指摘を分かった上で、その反対のことを考えて、つじつまを合わせなければならない人は損だなあと思う事もあります。

しかし、だからといって、問題を指摘することに手心を加えよと言うのも、また間違いだと私は思います。遠慮されることはありません。皆が言いたいことをどんどん言って議論をする社会が私は一番良い社会だと思います。ただ、問題の指摘をする人も、つじつま合わせの任にある人が、そうすると別の面の不都合が生じます等と抗弁をするのもまた、理由があるのかないのかよく聞いてやるという度量を期待したいなあと思います。

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