古座川の民話

武田丈夫古座川町長から「古座川の民話」という本を作ったのでと、県庁にお届け物がありました。表紙を見るだけでも魅力的な本で、天下の名勝古座川に洗われた人々の細やかな人情が、民話という形でたくさん収録されていました。中学生か小学校高学年でも読めるようにということか、字も大きく、美しい挿絵もたくさん添えられていて楽しく読ませてもらいました。
古座川は私も大好きなところで、仕事は勿論、遊びでも(自然探訪)で時々行っているのですが、一つ一つの物語に、これは古座川の中でもどの地方の民話かということが添えられているので、自分が行ったあの地域のお話かと興味深く読めるのであります。
古座川各地に伝わる民話を集めてこの素晴らしい本にした武田町長をはじめ町の職員、教育委員会の方々、そしてすべての関係者に敬意を表したいと思います。
ずっと先はともかく、ここ当分は和歌山県は人口が減り、人口の少ない、中山間地では人々が住まなくなって集落がなくなる所や、人口がうんと減って民話を語り継ぐことが困難になってくる所も出てくることと思いますが、そういう時にこうして、記録として残しておくこととは、今の我々にとって楽しみであるばかりか、その地域に生き、悲しみも喜びも噛みしめつつずっと暮らしてきた我々の祖先に対する敬意にも繋がるのではないかと思います。(この本の中でも語られている地域で、もう人が住まなくなった所に私は訪れた事がありますが、いい所でした。)

古座川には、こういういい本が出来ました。しかし、和歌山県には、もっと他にもこのような素晴らしい民話と、その元になる人々の生活の歴史ある地域がたくさんあります。そういうすべての地域の民話や伝承をきちんとひろって後世に残すことも和歌山県の仕事かなと思います。武田町長のいい仕事を見本として。