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仁坂吉伸の思い

祝 日本遺産認定「鯨とともに生きる」

2016年06月27日

この度、日本政府が昨年度から始めた日本遺産に熊野灘の捕鯨文化に関するストーリー「鯨とともに生きる」が認定されました。
日本遺産の制度は、世界遺産とは別に、日本の伝統的文化遺産を日本政府が認定するもので、特に遺跡や神社仏閣などがあるというだけでなく、それに関連する文化が現在の生活に色濃く投影されているものが選ばれるべきものとされています。
昨年度も和歌山県が申請を出したのですが、伝説があるだけで実体がないものや、世界遺産と混同が起きてしまうようなものを出してしまったところ見事に落選して恥をかきました。これはいかんと二年目の募集の際には、初めからああだこうだと私も議論に参加して、2つのうちの1つすなわち、この「鯨とともに生きる」がめでたく合格したのであります。その概要は下記の通りです。

 

《タイトル》      《関係市町》   《主な文化財》

             太地町   捕鯨の祖 和田頼元(わだよりもとの)墓(はか)(県指定史跡)

鯨とともに生きる   新宮市   三輪崎の鯨踊(県指定無形民俗文化財)

             串本町   河内(こうち)祭の御舟(みふね)行事(国指定重要無形民俗文化財)

            那智勝浦町  塩釜神社のせみ祭り(未指定)

 

和歌山県の熊野地方は古式捕鯨の発祥の地であり、これが各地に伝えられて、日本の鯨文化をもたらしてきました。太地町をはじめ本家の和歌山県には古式捕鯨の伝統を色濃く残すお祭りや踊り、あるいはかつての捕鯨施設の跡や鯨供養のための神社などが多く残されています。さらに、その伝統は、形はすっかり違ってはいますが現在の湾岸捕鯨の精神の中にも生きています。近年太地町の捕鯨は世界の反捕鯨団体から理不尽な攻撃を受けていますが、太地の人々は古式捕鯨の伝統の上に立って、地球の恵みをいただいているんだという優しい心を持ちながら生活を守るために戦っているのです。ついこの間まで鯨を始め生き物の多くの命を奪い、環境を破壊してきた人の子孫が、このような太地に来て、威迫や営業妨害、あるいはひどい時には器物破損のような違法行為を働くことは許すことはできません。すでに数年前から警察などに常駐してもらって守ってもらっているものですから、あからさまな違法行為は減ってきたようにも思いますが、気の毒な目に遭っている太地町の人々にとって、今回の日本遺産登録は大変な勇気を与えてくれることと思います。鯨漁の妨害に現れる人たちも、こういう歴史と文化、さらにそれに裏打ちされた熊野に伝わる伝統のお祭りなどの精神を是非勉強してもらいたいと本当に思います。

我々は、この日本遺産指定を「よかったね」と喜ぶだけで終わらせてはいけません。この地域を元気にする大いなる武器として積極的に活用していかなければなりません。既に県と観光連盟、構成市町とその観光協会、それに伝統芸能の保存会などが結集して協議会を作り、この日本遺産を世界中に発進していこうと考えています。
県では、これを見越して、案内板の整備、日本遺産ガイドの養成など人材育成、PR、旅行商品の造成についての旅行業者への働きかけなどを精力的に行っていく予定です。これを機会にどんどん観光客も来てもらわないといけません。

我々和歌山県の民、熊野の人々は、このような崇高な日本遺産を守りながら生きてきたのです。胸を張りましょう。

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