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アリとキリギリス
2016年11月14日
アリとキリギリスという有名な話があります。キリギリスは夏のよい季節の時は歌いまくって楽しく過ごし、その間アリはせっせと巣を作り食料を集める。そして冬になって食料が無くなって、尾羽打ち枯らしたキリギリスは、アリのもとを訪れ、助けて下さいと哀れみを乞うという話です。私ももちろん幼少の時に読み又は聞かされ、なるほど、いつもこつこつ努力しないとキリギリスさんのようになるんだと思いを致したところです。
福岡伸一さん(元昆虫少年の科学者です。)の「やわらかな生命」を読むと、この話は原典はイソップ。その時はアリとキリギリスではなくて、アリとセミだったとか。それがセミのいない(少なくとも確か南仏の端を除いてフランスにはセミがいなかった)フランス人向けにラフォンテーヌが書き直した時、アリとキリギリスにしたとの話でした。今も昆虫少年の私が少し付け加えると、セミはその口吻を伸ばして木の汁を吸いますし、キリギリスは草の葉をかじるわけですから、アリの集める動物の死骸や植物の種子や花やアブラムシの密(あるいは種によっては、その植物工場で栽培されたキノコ)などは食べません。従って本当にセミやキリギリスがアリに食物をねだる事はありません。でも雰囲気はよく出ています。
我々はこれを子どもの頃に皆学んだはずなのにこの寓意を生かさぬ愚行をしていると思う事がたくさんあります。
我々は、衣服を買ったり、食物を食べたり、様々な遊びをしたりして生活をしています。しかし、今を楽しく過ごす事も大事ですが、将来に備える事も同様に大事だという事をよく知っています。将来に備えるということは、貯蓄と投資にもお金を回すということです。もちろん将来の入り用に備えて貯蓄をしておく事も大事ですが、様々な事に投資をしておくことも大事です。個人で言えば、住宅を購入することも投資のうちだし、大事な子どもたちに立派な教育を受けさせるのも、広い意味での投資です。先の事を何も考えないで、使ってしまうと後々困るよというのがアリとキリギリスの寓意です。
社会でも同じような事があります。我々の生活を支える基盤がしっかりしていないと、日々の活動も上手くいきません。道路事情が悪いと、もっと良いところへ行くわいと企業が立地してくれないし、今いる企業も生産者も競争に負けてしまいます。そうすると雇用も所得も減ってしまうのです。学校や病院なども劣化していくので、時代に沿うように強化しつつ更新をしていかねば、そのつけは後世にどんどんたまっていきます。海岸や河川の堤防や浚渫などもきちんと整備しておかないと、将来の災害で人々が苦しむことになります。一度作ったものも一定の補修をし続けなければえらいことになるでしょう。
しかし、「コンクリートから人へ」の大合唱が一度起こった時、子ども手当やコメ農家への所得補償が呈示されると、日本中がキリギリスになってしまったように思います。農業においても、コメの所得補償の代わりに、和歌山県のような条件の悪い傾斜地で商品作物の果樹を作っているような県にとって、大事な園地整備とか選果機のバージョンアップのような投資に回す予算が思いっきりカットされた事を、マスコミなどはまったく報じてくれませんでした。その結果、これに異を唱えて何とか投資資金を確保しようとした私は大苦戦を強いられ、和歌山県の農業は大いに損をしました。そしてキリギリスが躍動する夏が去っていくように、時があっという間に経ち、今やあの時の政府の政策が正しかったと言う人はほとんどいないと思います(それを推進した方の人で、あれは間違っていたと言う人もほとんどいませんが、)が、国を挙げて本質的な事を深く反省しないと、また同じようなキリギリス狂騒曲が展開されるかもしれません。
本質的な事は、今を楽しく生きるだけでなく、我々は将来のための投資をし続けなければならないという事です。
アリとキリギリスの寓意をよく覚えておくべきです。
