大阪の町

 私は東京出張の際を始め、飛行場は関空又は時として白浜空港を使いますので、大阪の町を上空から見ることは普段そうありません。
 もともと、私は飛行機の窓から外の状況などを観察するのが好きで、外国の上空などを飛んだ時など、森の様子や、農業の仕方、都市の作り方など見ていて勉強になることがたくさんあります。

 ところが、このところ2~3回、関空が使えずに、伊丹空港から飛び上がり、また着陸することがありました。そうすると、離着陸の前後、上空から大阪の町を見ることになります。(もちろんこの場合大阪市のみならず、近郊の各市も含みます。)
 そこで感じた印象は、何と建物が建て込んで、開発が極限まで進み、緑の少ない所だなあということです。それも大阪の開発の歴史の深さ故でしょうか。東京や世界の大都市はもうちょっと起伏とか未開発の緑地とか森とかがありますので、これは少し珍しい方かなと思います。

 そこで思いました。これは和歌山はチャンスだと。人は皆日常と違うものを求めて、余暇を楽しみ、旅行に出ます。だから、あの建物ばかりで平坦で緑の少ない大阪の人々はきっと和歌山へ来れば喜んでくれるに違いないというわけです。和歌山は、和歌山市~紀の川平野を除くと、そうだだっ広い平地もないし、緑も豊かだし、建物もそう建て込んでいるわけではありません。だから、たまの休みに、あるいは、ひょっとすると違ったライフスタイルを求めて居を変えてみようと思った方々には、和歌山はなかなか魅力的だと映るのではないかと思うのです。和歌山も、もっともっと観光客を京阪神から呼び込む余地があるし、都市で少し窮屈になったオフィスなどを移してもらえる余地も、さらに移住をしてもらえる余地もあるのではないかという事です。

 でも、それには、今の和歌山が相対的に有利であると思われる利点は失ってはいけません。美しい自然はむやみに壊してはいけないし、大阪近郊のようにどこでも開発して、緑をなくすような住宅政策を行っては相対的な魅力を失くします。
 そのようなことを色々考えながら、機窓から眼下に広がる大都市の状況を見ておりました。