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仁坂吉伸の思い

多紀治子先生を悼む

2017年04月18日

 仁坂吉伸後援会会員で和歌山県文化功労賞受賞者の多紀治子先生が、4月17日99歳でお亡くなりになりました。ご高齢ですから天寿を全うされたと申し上げるべきだと思いますが、ついこの間まで朝日新聞和歌山地方面の和歌の選者を務めておられるようなご活躍ぶりであっただけに、大きな寂しさを感じます。ずっと世話をして下さった新家兄璽さんが、「先生、東京オリンピックを見に東京に行こらよ。」と言うと、「うん。うん。」と嬉しそうに頷いておられたのがかなわぬ夢となってしまいました。

 多紀治子先生は、高名な漢学者にして和歌山中学の漢文の先生、多紀仁之助さんの末っ子として誕生され、郷土の名だたる才媛として、県からわずかばかりの人しか行っていなかった東京女子高等師範学校(現在のお茶の水女子大学)に進まれ、尾上柴舟先生のお弟子さんとして和歌の達人になられました。帰郷してからは、数々の高等学校の国語の先生となられ、多くの生徒に高い水準の教育を厳しく授けられました。かく言う私も桐蔭高等学校の時代にずっと個人的に多紀先生に私淑しておりまして、厳しくも温かいご指導を得ました。私が国語がまずまずできるようになったのも多紀先生にずっとご指導を受けてきたお陰であると、心底そう思っています。大学に入ってからも、お正月などに帰省いたしますと時々お宅にご挨拶にお伺いし、お茶の先生でもあるお姉様のお弟子さんなどに混じって、お茶をいただいたりしておりましたが、さすがに通産省に入り、忙しくなってまいるに連れ、足が遠のき、遠くにいて時としてご恩に思いを致すような存在になってしまいました。

 その先生に再会する事ができましたのは、私が初めての知事選に出馬するため和歌山に帰ってきた時であります。和歌山市のどこかの演説会場に、そろそろ不自由におなりになりかけていた足をかばって車いすでお越し下さいました。先生は再会を喜んで下さり、昔と変わらぬ口調で私の事を励まして下さいましたが、その時初めてお会いしたのが車いすを押していた、後援会でも色々助けて下さっている新家兄璽さんであります。聞けば、御高齢になり、近しい身内も次々と亡くなられた先生をずっと長い間お世話して下さっているとのことで、それから10年、新家さんの多紀先生への献身ぶりを身近に拝見するにつれ、実の母上以上に親身になって先生をお世話されている新家さんの姿は大変美しいと思えました。私とか、他の昔先生に特にかわいがってもらった教え子たちがとてもできなかったお世話を、昔はあるいは叱られてばかりであった新家さんが、かくも心を込めて先生のお世話をしているのは、本当にありがたいことだと思います。

 そんな私が先生に唯一できた事は、平成25年の和歌山県文化功労賞を差し上げることができたということです。もちろん先生の和歌山の世界での卓越した功績が名だたる審査委員のおめがねにかなったことが全てでありますが、授与者が、かつての教え子の私であったということの幸せをかみしめたものでした。
 先生安らかにお眠り下さい。先生のお通夜の後、お葬式の時には、既に4年後のワールドマスターズゲームズ2021関西の視察のため、ニュージーランドに向かっていて、参列もかなわぬ身ではありますが、どうぞお許し下さい。先生のお気持ちのままに、和歌山県のために、一層研鑽を積み、職務に励みます。本当にありがとうございました。

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