交通安全

 4月6日県庁玄関前で春の全国交通安全運動の出発式が行われました。交通事故は、元気な方が突然命を奪われたり、けがをされたりしますので、被害者本人はもとより、その家族の方々、更には時には加害者やその家族にとっても大変な悲劇です。このため、事故と被害防止に当たる警察や県庁当局者の他に交通安全協会、交通安全母の会、交通指導員会、地域交通安全活動推進委員連絡協議会などに属する多くのボランティアの方々が一生懸命啓発や交通安全指導に務めて下さっており、本当に感謝しております。おかげさまで和歌山県の交通事故件数は年々下がってきており、また、交通事故死者数も減少傾向ではあります。
 しかし、命が突然奪われるということは何にもまして避けなければならないことであるし、和歌山県は高齢化が全国平均より進んでいることから事故リスクも高まってきていますので、手を抜くわけにはいきません。また和歌山県はかつて飲酒運転死亡率全国一という、ありがたくない記録を作ってしまい、県民をあげて飲酒運転防止に取り組んだ結果、飲酒運転による死亡者ゼロを達成したこともあるのですが、また少し油断が出ている気もします。
 このため県民皆で努力をしなければならないのですが、この分野で1つ全国に誇るべきものがあります。それは音響信号機の設置率が20.6%で全国トップであるということです。歩行者用の信号機がピヨピヨと言って信号の中味を告げてくれるあの装置です。目の不自由な人にはとても役立つと思います。既に25年も全国一を続けているそうです。これには、この交通安全運動の際に授与式を行う和歌山放送による継続的な寄付が大変効果を及ぼしています。1986年からずっと寄付を続けてこられた和歌山放送も立派ですが、これに協賛して募金に応じて下さった方々にも心から感謝を申し上げたいと思います。
 上記授与式でお話をされた、和歌山放送の中島章雄社長のお言葉胸にしみました。

 「私自身も、5歳の時に父親がひき逃げ事故で亡くなるという、交通遺児です。また、私の妹は全盲の視覚障害者です。一人で出歩く時には、音の出る信号機というのは本当に命綱です。
 和歌山放送は、今から31年前から毎年年末の11月から1月末まで、募金活動をさせていただいております。その活動には、交通安全母の会の皆様方、又、県内の高校生や大学生等のボランティアの方々に協力をいただいております。また、私も、従業員と一緒に街頭に立って募金をさせていただき、ますます安全になりますよう、念願いたしております。」