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世界かんがい施設遺産
2017年06月12日
世界遺産に対する関心が高まっています。和歌山県では高野、熊野の紀伊半島の霊場と参詣道というユネスコの大文化世界遺産がありますし、昨年は2004年の登録の際、コンセプトは同じだが準備不足で申告もれになっていた和歌山県内のいくつかのスポットが軽微なる変更ということで追加登録になりました。
世界遺産の人気が高く、その新規登録が段々と難しくなる中、那智の田楽は世界無形文化遺産だし、みなべ、田辺の梅システムが国際連合食糧農業機関の世界農業遺産になりました。串本の海は国連ラムサール条約の登録湿地ということになっています。
また、日本遺産というのも始まりまして、昨年の太地町を中心とする『鯨とともに生きる』に続いて、今年、和歌山市、海南市の『絶景の宝庫 和歌の浦』と湯浅町の『「最初の一滴」醤油醸造の発祥の地 紀州湯浅』が登録されました。
また、一昨年から日本ジオパークとして南紀ジオパークが登録を認められ、さらに世界ジオパーク入りを目指し着々と準備をしています。さらに、このたび昨年岩出市に復元されました、現存する最古の和式木造建築の県会議事堂が国の重要文化財和式指定を受けました。
こういう指定、登録は、価値のあるものが指定、登録されるのであって、指定、登録されたから価値が出るものではありませんが、こういう肩書きがあると、地元の人も誇りが持てるし、よその人々に説明する場合も、分かってもらいやすいという長所があります。観光地としてアピールする場合もより容易になるということであります。そういう意味で、このような「タイトル取り」については、最近和歌山県は特に熱心に取り組んでいます。そういう中にあって、5月17日の農水省がプレスリリースをして、施設を管理している小田井土地改良区が申請をしていました紀北の小田井用水路が、世界かんがい施設遺産の国内審査を通過したと発表しました。
この世界かんがい施設遺産は、和歌山県では、それほど関心は持たれていませんでしたが、世界的には中々熱心に取り組まれており、75の国と地域が加盟する国際かんがい排水委員会(ICID)のもと、今まで世界8カ国47施設が登録されています。
我々の文明は、まずは農業生産が向上し、我々が生命を維持できるようになった所から、飛躍的に発展しているのですが、農業生産で大事な事は、今も昔もいかにして安定的に農耕地に水を供給するか、すなわち、かんがい施設をどう作るかということにあるわけです。世界かんがい遺産はこのことを踏まえて登録するものです。
世界47施設の内、日本だけで27カ所も既に登録されているので、考えてみればかんがいの先進地でもある和歌山県が今頃第1回目の登録申請をしているというのは遅きに失していることは間違いありません。和歌山県の紀の川流域は、江戸時代まで何世紀にもわたってかんがい施設を積み重ねてきたところで、特に江戸時代初期から、井沢弥惣兵衛とか大畑才蔵とかの、この道のスーパースターが出、徳川吉宗がこの紀州かんがい技術を全国のかんがい施設改良に用いたので、関東地方などで紀州流のかんがい施設でできた立派な用水がたくさんあります。まさに「はじめは和歌山」なのであります。(例 埼玉県の見沼代用水路、茨城県の飯沼新田開発、千葉県の手賀沼新田開発)和歌山にあるこれらの施設の中には、立体交差で水路を跨いだり、下を通したりするような現代の高度技術につながるようなものもあります。古来紀の川流域が力のある経済圏として栄えてきたのも、この昔からのかんがい技術によるものであると思います。
その中でも小田井用水路は、「建設から100年以上経過し、かんがい農業の発展に貢献したもの、卓越した技術により建設されたもの等、歴史的、技術的、社会的価値のあるかんがい施設」という世界かんがい施設遺産にぴったりの優れたかんがい遺産であると思います。
皇太子殿下は大変な歴史学者でいらっしゃいますが、近年は古くからのかんがい施設の研究に熱心に取り組んでおられます。平成27年7月和歌山県で全国高等学校総合体育大会(インターハイ)が行われた時、和歌山県に行啓され、かつらぎ町にある古代からのかんがい施設文覚井をご視察になりました。また、その時のご見識などを交えて一昨年ニューヨーク国連本部において「国連水と災害に関する特別会合」の基調講演をされた事も記憶に新しいところであります。
この小田井用水路が世界かんがい施設遺産に登録されるためには、これからICID本部への登録申請と審査を経なければなりません。登録決定は今年10月に予定されています。和歌山県の農業と農業土木の栄誉のために朗報を待ちたいものです。
