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和歌山でジビエを食べよう
2017年11月27日
日本中でシカ、イノシシ、サル、アライグマ、アナグマ、カワウなどの鳥獣害が目立っています。もとは人間は人里、動物は山中という住み分けが今よりももっと出来ていて、山にはもののけ姫のような豊かな森があり、そこには木の実や小動物などがたくさんあって、これら動物の生活を育んで来たのですが、最近は、どこも杉や檜のあまり栄養のない植林が広がりすぎたためか、動物たちが豊かな人里に降りて来ることが多いのではないかと見られています。一方、こうした動物は猟師さんの獲物となっていたのですが、猟師さんの高齢化や他の食料が豊かになって、狩猟のインセンティブが少なくなったためでしょうか、人里に出て来る鳥獣を捕るすべが少なくなりつつあることも大きいと思います。そのため、農業や林業の鳥獣害被害もうなぎ登りで、ただでさえ高齢化でつらくなっている中山間部の人々の生活を破壊しつつありますし、最近は町中にもどんどん出てくるようになっていることが報道などで見られるとおりです。
和歌山県では、人々の暮らしを守らねばならぬと、もともときつかった狩猟、捕獲の規制をどんどん緩め、報奨金を値上げし、最近ではハンターの養成にも乗り出しています。
しかし、鳥獣といっても、ただ殺すだけではいけないと思いますし、狩猟のインセンティブを増やすには、シカやイノシシの肉に対する需要を増やす工夫をしなければなりません。
そこでこの10年間一生懸命取り組んでいるのが、ジビエの振興です。私は、ずっと昔ヨーロッパにいましたので、彼らのジビエに対する需要の強さというのはよく知っています。個人的にも、シカやイノシシや野鳥類は大好きで、今でももしあれば牛肉や豚肉の代わりにシカやイノシシや野鳥の料理を食べたいほどです。しかし、日本ではまだまだ一般には、私のような人は少数派です。これがもっと増えてくれば鳥獣肉の需要が増え、猟師さん達の仕事の報酬も上がるはずです。
しかし、よく考えると、様々な要素がまだまだ不十分です。猟師の高齢化が進み、数が減ってきたということは既に述べたとおりですが、その他に必要なことは、①適切な解体施設がいること、②肉を消費者に届けるための食肉流通チェーンがいること、③ジビエをおいしく食べさせるお店などが増えていくことであると思います。
和歌山県は、そのすべてにがんばって立ち向かっています。
① 解体施設については、県の補助制度も作って、その設置を応援しています。まだまだ一筋縄ではいきませんが、古座川の施設などはブレイクの兆しです。
② については、ジビエが敬遠されるのは、肉の品質にばらつきがあって、うまい肉とそうでない肉が流通業者、料理店、消費者に中々区別がつかないことが挙げられますので、和歌山県では県単位では唯一、わかやまジビエ肉質等級制度を作って目下売り出し中です。この等級によって、どのくらいのレベルの肉なのか、一目瞭然になるはずだというわけです。それがもっと認知されてくれば、産地から離れた大市場でも和歌山県産ジビエ肉が爆発的に売れる可能性があると私は信じています。
③ については、7年前から職員が県内のレストランなどを説得してジビエを出してもらうわかやまジビエフェスタを開始しました。県内の飲食店・ホテル等で一斉にジビエを扱ってもらって、消費者にアピールし、需要を喚起しようというわけです。段々と協力してくれるお店も増え、今年度は50店、県下中に散らばっています。期間もウィークからマンスさらには12月から2月いっぱいという季間にまで拡大しました。
和歌山県では協力して下さっているお店の情報を入れた小冊子を作り(道の駅、JR各駅、県内宿泊施設で配布しています。)、かつネットでもPRしています(http://www.wakayama-gibier.com/)。ジビエ好きの私は毎年ずっとこの小冊子を見て、うまそうだなあと食欲をかき立てられていますが、段々と料理が洗練されてきて、「うまそう度」が上がってきたと思います。
全国の皆さん、12月から2月には、和歌山へジビエを食べに行きましょう。「冬は和歌山でジビエ」です。たくさんの店で、それぞれシェフが腕によりを掛けてジビエ料理で皆さんをお待ちしていますよ。
追加二つです。
その1、最近はテレビの旅番組などで、レポーターのきれいなタレントさんがジビエを食べるところなどがよく映ります。見ていますと、こういう方の料理の褒め方は、「あ、おいしい!」とお口の中に入れたままおっしゃって、「臭みがなくて美味しいです。」と最後ににっこりと総括されるのですが、私はこうした発言がジビエの普及を妨げているなあと思うのです。シカやイノシシを食べる時、多くの方は、牛肉と豚肉のような味だと良いなあと思って食べておられるのではないかと思うのです。特別の風味(=臭み)があまり感じられないと、「臭みがなくて美味しい。」となるのではないでしょうか。
私はシカやイノシシの特有の美味しい風味を愛します。別に牛肉や豚肉と同じ味を求めません。従って、レポーターの方には「ウワー!イノシシならではの最高の風味です。美味しい。」と言ってもらいたいのです。と言ってもシカやイノシシと言っても解体の仕方などで、本当にくさい「臭み」のあるものがありますが、それは、本文の②等級認定の問題だと思います。
その2、和歌山県の人は、牛肉好きです。一人当たりの消費量が各県庁所在地間で比べて全国3位です。だから肉好きなのですが、同時に心優しい人であります。お客さんが見えたら最高の食材をお出しせねばならぬと考える人であります。その心優しい和歌山県人からすれば、近くの山で獲れたようなシカやイノシシを大切なお客様にお出しするのは失礼ではないかと思う人も多いのです。私は昔白浜町の日置川で、現地の方とお話ししていて、「知事さん、聞くけどね、民泊で都会の子供達をお迎えする時、イノシシみたいな裏山にいるようなものをお出しして失礼やないかね。」と聞かれたことがあります。私は「そんなことはありませんよ。その方が喜びますよ。だって都会から来た子は牛肉などは自分の家や近くのレストランでいくらでも食べられるでしょ。せっかく、この大自然に囲まれた日置川に来たんだから、珍しいもの、かわったものを食べたら嬉しいですよ。」と申し上げました。そのせいかどうか分かりませんが、この日置川の方々は、皆で民泊のネットワークを作り上げ、都会の子供達の修学旅行をどんどん誘致して、心温まる交流をしています。きっと美味しいイノシシも食卓に供されたに相違ありません。
