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仁坂吉伸の思い

glafitバイク・GFR-01導入と和歌山県の創業支援

2018年03月19日

 和歌山県は、本年度中に標記の電動バイクを32台導入することに決めました。
 このバイクはペダル走行とバイク走行のほか、自転車とバイクの両者をかけ合わせたハイブリッド走行が可能なバイクで、和歌山のベンチャー「glafit(グラフィット)株式会社」が作りました。

 glafit(株)は和歌山在住の創業者の鳴海禎造氏が2017年に設立した企業で、上記の性能をもつ「glafitバイク・GFR-01」を開発、製造販売することに成功しています。

 和歌山県では、島精機などの和歌山を代表するような企業が戦後大変苦労しながら創業され発展してきたのだということに鑑み、夢をもう一度と、創業又は第2創業のための企業創出スタートアップ支援事業スキームを2016年から作り上げています。そのスキームは、日本でも世の中に出来始めているファンドやベンチャーキャピタルの方々に集まってもらって、そのような目利きの前で、我こそは創業をするぞという人に事業構想を語ってもらい、これはいいと思った案件を、ファンド等の方々に支援をしてもらおうというものです。昔から日本の創業は、主として銀行が融資という形で支援をしてきたというのがその歴史ですが、二股ソケットの原料のプラスチックを住まいの隣の納屋の中で溶かして製品を作り、でできた製品をリヤカーで売りに回っていた松下幸之助さんの時代と違って、今は製造機械も高価だし、販売ネットワークの構築にも初めからえらいお金がかかるといった事で、創業者にとっての参入障壁が高くなっています。また、銀行もシビアーな世界的競争の中で、経営も厳しく、これはリスクを取ってでも育ててやろうという気持ちの銀行マンが中々出て来にくい状況にあります。日本全体で創業が結構難しくなってきているのです。

 一方、米国やイスラエルなど創業がどんどん起こっている国々を見ますと、大学の周辺などで、ファンドやベンチャーキャピタルが鵜の目鷹の目でいい投資案件がないか探しています。そして、お眼鏡に適った案件には、初めからどかっとリスクマネーを出資し、欠けている人材もノウハウも投入するわけです。そして、初めからどーんと育てて成功したら、その会社の株式を上場して、キャピタルゲインを得るというモデルが盛んです。大学や振興機関は、このような創業希望者とファンドなどを結び付けるマッチングの仕掛けをたくさん講じています。このような機能をアクセルを踏むという意味でアクセラレイターというのです。

 和歌山県で始めたのは、まさにこれで、経営共創基盤の冨山和彦さんは、地方公共団体でそんなことをやっているのは、おそらく世界中で和歌山県だけだと言っておられました。

 和歌山県のこの事業は2年目になるのですが、29年度の創業支援希望者のうち最も人気が集まったのが、このglafit(株)ではないかと思います。同社は既に、クラウドファウンディングで別途約1億2800万円の資金調達に成功していますが、これは、国内クラウドファウンディングにおける資金調達額の最高記録だそうです。また、この商品は「2017年
日経優秀製品・サービス賞最優秀賞(日経MJ賞)」を受賞しています。過去にはトヨタ自動車のMIRAI(水素自動車)や、パナソニックのEV向け円筒型高容量リチウムイオン電池等の大企業の製品ばかりが受賞している同賞で、和歌山のベンチャー企業が受賞したことは、大変誇らしいことです。ちなみに、この商品の仕様は次のとおりです。

 〇GFR-01の電動バイク時の動力は、100%電気エネルギーを使用し、燃費性能、静音性や環境への配慮をしており、10円以下の充電コストで約40km走行を実現(充電時間4~5時間)。
 〇工具不要で折りたたみ・組み立て可能な車体のため、コンパクトに持ち運び・保管が可能で、重量は約18kgと、一般的な原動機付きバイクと比較して1/3以下の重さ。
 〇定価は税込み15万円。全国のスーパーオートバックス及び通販サイトAUTOBUCKS.COMにて申し込み可能。

 代表取締役の鳴海禎造さんが、県庁で色々お世話になっているし、試用もしてほしいので、1台寄贈しますと言ってこられました。県庁の職員はその報告をもって来て、知事試乗もしてみますかと言って来たのですが、本件はありがたいがそういうええかっこしいは嫌いだから、自分が乗ってポーズをとるというのはお断りするけれど、そもそも本当に役に立つのなら1台もらって喜んでいるより、本格的に調達をしたらいいではないかと逆提案をしました。

 ただし、いくら事業振興になるからといっても、実際に役に立つもの以外に県民の大事なお金を使うわけにはいきませんから、まず、本当に役に立つか、職員がどうしても使いたいと思うのかの需要調査から入ろうということにしました。その結果、管内隅々までというような遠距離の場合はこれで行くのはちょっと無理があるが、今まで公用車又はタクシー又は徒歩で行っていた近場の場所に公用で行く時に便利だから買ってほしいという希望があり、慎重に審査をした結果、本庁及び出先で18台、振興局14台(各局2台×7振興局)を含み32台を買うことにしました。もちろん県庁には公共調達のルールがありますから、仕様を示して(他社のでもOK)入札手続きをして調達を決めたわけです。
 和歌山県庁で起きたことは日本中、いや世界中で同じようなニーズがあるということを表していますから、そういうニーズに火がついて、大ブレイクするというようになれば、いいなあと思っています。
 昔々、私が中国担当の経済産業省審議官であった頃、アリババのジャック・マー(馬雲)さんとお話をした事があります。既にある程度大をなしていましたが、今日のような超巨大企業のアリババではありません。和歌山発ベンチャーのglafit(株)が大ブレイクして、鳴海代表が馬さんのように雑誌の表紙を飾る日がくると我々の仕事も本望だと思うわけです。何も鳴海さんに限りません。他にも中々良さようなブレイク候補が集まっています。それからまた、今年のスケジュールはもう始まっています。我こそはと思う人は奮って御参加下さい。この和歌山版アクセラレイターを使って、日本発ベンチャーをどんどん発信させていきたいと思います。

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