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仁坂吉伸の思い

津本 陽さんを悼む

2018年05月28日

 5月26日に津本陽さんがお亡くなりになりました。和歌山県が生んだ大作家で、桐蔭高校の大先輩で、私とも親しくして下さり、故郷和歌山市、和歌山県のことをいつも思って下さっていた方だけに大変残念で、寂しい思いをしております。
 けっこう御高齢ということは承知していましたが、お元気であったし、新しい小説も連載しておられたので、体調がお悪かったということも知らず、大変失礼で申し訳ない思いで一杯です。実は、お亡くなりになった少し前、紀三井寺競技場で県の障害者スポーツ大会がありました。公舎から競技場へ行く道すがら、和歌浦の津本さんのご生家の前を通りました。その時「そう言えば、津本さんにはご無沙汰をしているなあ、またお会いせねば」と思い、同行している秘書君に、「この辺が津本陽さんのお家なんだよ。ここで居合い、抜刀をしながら小説を書いていたそうだよ」などと話していました。津本さんがいらっしゃっていたのかもしれません。

 津本さんは、歴史、剣豪、冒険、伝記各方面にわたりものすごくたくさんの作品を残されていますが、終始一貫して和歌山の事を思い続けてこられた人であると思います。私にも、子供の頃の話などを楽しく語って下さったし、和歌山の発展のことを常に願っておられました。和歌山県の高級広報誌「和」の第14号(2011年3月発行)に私との対談として「黒潮が育んだ紀州人気質」について語ってくれました。また、当時私はこれまた郷土の生んだ大偉人陸奥宗光のことを勉強していまして、この欄にも何度も書きましたが、陸奥の日本の歴史に果たしてきた功績はものすごいものがあると考え、これを是非NHK大河ドラマで取り上げてもらいたいとNHKの首脳に働きかけていた(今でもそうですが)ところでした。そうしたらNHK側からは、大河ドラマには歴史書とか研究書のみならず、タネになる小説がいるんですよと伺い、これは津本陽さんに頼むにしくはなしと思いました。そこで、津本さんに是非陸奥宗光を書いて下さいとお願いしましたところ、快く引き受けて下さって、2010年に「荒ぶる波濤」をすぐ上梓して下さいました。この作品は陸奥と坂本龍馬との交遊に焦点を当てて書かれているので、もう少し全般的なものはないかなあと思っていたら、2016年「叛骨」が出版されたのです。NHKの大河ドラマ化はまだ成功していませんが、明治維新の正体も、明治外交の綱渡り的成功も、そして立憲民主主義の母体も、そして、絶世の美女亮子夫人との夫婦愛も、全ての要素が陸奥の生涯の中に含まれていると思います。「原作津本陽」で是非将来実現して欲しいと思います。
 津本陽さんは剣豪小説も書かれますが、御本人も大変な剣術使いです。毎日居合い(又は抜刀‥私には区別がつきません)の練習で汗を流し、多分その際真剣を使って練習をしておられたと記憶しています。私にはかねてから、剣道を嗜むとともに、刀のつばを収集している友人がいて、ある日その友人と津本さんの3人で食事をいたしました。そうしたら始めから終わりまで、延々と刀のつばの話が続き、お二人とも少年の目で語っておられたのを思い出します。

 津本陽さん、安らかにお眠り下さい。

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