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仁坂吉伸の思い

海外との交流

2019年05月27日

 今から30年ほど前までは無敵を誇っていた日本の経済力や日本企業の力は相対的に低下したことは大変残念でありますが、その事は逆に市場としての海外諸国の地位が上がって来ているという事で、我々にとっては、そこに大きなチャンスが生まれていると考えるべきでしょう。新興国は、欧米や日本ほどその国民の所得が均質ではありませんが、日本人と同等かそれ以上の所得を有する人々が急増していて、かつ、その中には人口がそもそも多い国があるので、高いレベルの日本商品を買ってくれたり、日本に観光に来てくれたりする人の数が、従来からの欧米も含めて、格段に増えています。したがって、和歌山県のような地方にあっても、その発展はこのような海外の国とどう付き合ってその富をどう寄せてくるかにかかっています。
 私は、その際本質的に重要なのは、民間の人々がこのチャンスをどう生かすかだと思いますが、同時にそれを導いたり、刺激したり、誘導したりする地方公共団体の役割も大きくなっていると思います。地方公共団体の海外との付き合いは、昔は姉妹関係を結んだ地域に首長が出かけたり、相手の首長をお迎えしたりして乾杯し、親善に努めるというものでありまして、国のレベルからこれを見ると、良好な関係が服属的になるので大変好ましいものなのですが、和歌山県のようなゆっくり構えていられない県では、実利を求めざるを得ません。そこで、私のようなトップが出かけていって、相手のトップと大いに仲良くなったり、プロモーション活動をしたりしまして、これがトッププロモーションとして、世の中で一般に高い評価をいただきます。確かに、トップ同士いい関係を結ぶ事は、地域が実際に経済的な利益を得るためには必要条件であります。こちらのトップの能力が劣っていたり、平凡な対応しかできないと、すぐ相手に見切られますから、私など、いつも必死で、相手の心をつかみ、和歌山を印象付け、和歌山の美点を売り込むか頑張っています。「あいつは出身が出身なので、海外へ行くのが好きなのだろう」などと想像力の貧困なことを言う人がいると腹が立ちます。自分にとっては、公務で海外に行くと、全く自分の自由時間はゼロですし、場所的には、ずっと昔からもうすでに行ったことがある所ばかり、何も行って嬉しいわけではありません。また、他にしなければならないことがたくさんありますから、そうそうは外交努力をするにも限度があるのですが、重点地域には、これまでのいい関係とせっかくの好印象を消さぬように何年かに1回は触れていなければなりません。
 しかし、本質的なことは、これで終わってはいけないということです。全国の自治体のやり方を見ていますと、トップがなりもの入りで乗り込んで、その活動は大いに報じられるが、それが済むと帰ってしまって終わりという所があります。経済力の強い、有力な企業がいっぱいいる所では、こうしてトップが切り拓いた所に民間企業がどんどん活動を重ねて、実利をものにしていくわけですが、和歌山県のような、民間企業の力がまだまだこれからのところでは、トップが切り拓いた所を県庁の諸君が何度も出かけていって本格的に耕さざるを得ないのです。フォローアップこそが大事なのです。和歌山県では、養成中の国際的能力のある職員が、トッププロモーションの後どんどん出かけていって活動をしているのです。世界的名声のある旅行関係会社に初めて乗り込んで格付けをアップしてもらったのは私ですが、その後内外のメディアや旅行ジャーナリズムで和歌山県が頻繁に取り上げられるようになったのは、県庁の職員が粘り強く営業活動をしたおかげです。いわば和歌山県職員の汗と涙の結晶だと私は思います。
 
 それでも和歌山県は小さい県ですから、使える資源に限りがあります。したがって効果のもっとも高そうな所に活動を集約させています。海外の特定の地域と姉妹関係をとり結ぶのは、日本全体に匹敵する人口や経済力を有するような一部の所を除くと抑制気味にしています。相手を失望させることなく関係を維持するだけのマンパワーと時間がないからであります。それに、具体的利益をもたらすような、企業間のマッチングを考えてもオール日本の100分の1しかない和歌山とこれまた選手が少ししかいない相手の小さな地域では、成功する確率がうんと小さくなるからです。最近の評判を聞いて勧めてくれる人、申し込みに来る地域がいっぱいありますが、事情をお話ししてお断りをしています。その一方で和歌山県は、経済的に有力な相手国の中央政府と仲良くするポリシーを採っています。こちらが小さくて、狭いからこそ、相手は大きな中央政府の方がマッチングの可能性が大きくなるからです。こうしてベトナム、インドネシア、台湾、香港などの中央政府の部局とMOU(協力の覚書)等を取り交わして、協力をしています。今年は5月20日にタイ工業省と、そして5月末の出張の際にタイ商務省とMOUを結びます。

 また、こうした海外との経済関係を強化する最も有効な手段は、世界的に名声のある有力専門見本市に和歌山企業が出展することだと思います。昔から特に卸売のネットワークが稠密であった日本と違って、欧米もアジアも取引先は見本市で見つけるとういうビジネスモデルがずっと一般的です。購買先を探すバイヤーが鵜の目鷹の目でそういった有力専門見本市に集まってくるのです。したがって、和歌山県では、最も効果的なのはどの見本市かを調べて、時には和歌山企業をリクルートして集団で企業をお連れし、時には企業の希望する出展に個別で助成するという活動をしています。

 一方、和歌山県は、こんなに海外活動に積極的なのに、一つも単独の海外オフィスを持っていない県であります。私のような熱心な知事さんたちのイマジネーションからすると、特定の国に関心を持ったら、そこに海外事務所を置くというところから出発する場合が多いのですが、私は自身のこれまでの海外経験から(具体的には現にそうしている他県をけなすようなので敢えて言いませんが)なかなか実を挙げるのは難しいと思っています。それよりも、私自身のこれまでのキャリアや和歌山県庁のこれまでの働きから、和歌山県は在外公館やJETROと大変よい関係にありますから、海外事務所を置いて自分で仕事をするよりは、はるかに効果的な仕事を彼らにお願いしてやってもらえるということを知っているからです。

 和歌山県が、このような活動ができるようになったのは、大変な苦労をして経験により実力を蓄えてきたことと、計画的に海外に通用する職員を育ててきたことによります。私の就任直後には、緊密な関係だと思っていた相手先との関係が知らない間に崩壊していたのを私自身が海外に実際に出かけて発見し、そこで大立ち回りを演じて立て直したというような事もありました。しかし今は、海外との付き合いの段取り(ロジステックと言います。ロジと略します。)だけを取ってみても、私自身は、安心して部下にお膳立てをしてもらえるようになっています。和歌山県のロジ能力は外務省や経産省の(昔の)大臣出張時と比べても遜色はないと思います。それに営業部員のような職員の活躍ぶりは、中々頼もしくもあります。

 最後に、こうして頑張っている県の対外関係行政もそれだけでは県の発展には寄与しません。県と助け合いながら世界を股にかける民間企業や団体の活動があって初めて県の力が増すことでしょう。海外市場というビジネスチャンスを県庁と協力して、必ずものにしましょう。

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