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仁坂吉伸の思い

再び君、死にたまふことなかれ

2019年06月17日

 厚生労働省が6月7日に公表した人口動態統計によると県内では昨年1年間に自殺した人の数は197人で人口10万人当たりの自殺者数の割合(=自殺死亡率)が全国で最も高くなりました。
 和歌山県は昔から他県よりも自殺する人の割合が高く、全国的には東北地方が高いのですが、和歌山県も高位にいることがしばしばでした。県内の自殺者はもともと和歌山県に住んでいる人に加え、県外からやってきた人が和歌山県の名所や山中を死に場所と定めるという人も加わっていまして、特に白浜の三段壁は自殺の名所として間違って言われるものですから、結構自殺しようとしてここにやって来る人もいます。しかし、地元の牧師さんの藤藪庸一さんが中心となって、自殺を食い止め、生き続けてもらおうという運動を一生懸命やって下さっているグループがいて、そのおかげで自殺を思いとどまり、白浜で元気に生活している人々もいるのです。いつもこういうグループの方々には感謝をしていますが、前に藤藪さんと対談したり、藤藪さんの教会や施設を見学に行かせてもらった時の印象は、本当にここまでされるかという思いで感動を覚えました。
 しかし、こういう外から和歌山に来て自殺する人を除いても和歌山県民の自殺死亡率はずい分高いのです。これはいかんと昨年から県庁では大議論を始めていて、既に今年から、様々な自殺防止対策を採っています。
 自殺をしたくなる人は、まず誰かに苦しさを訴えるだろうということで、専門の職員によるスマホのLINEを使った相談サービスを始めました。4月からは電話相談は24時間に拡大したほかインターネットの検索サイトを活用した自殺相談窓口案内もやっています。
 また、調べてみると特に自殺未遂で救われた人がまた再び自殺を企ててしまうということが多いので、このような人に対する心のケアサービスも始めます。具体的には救急医療機関の病院スタッフが自殺未遂により搬送された方やその家族の同意を得て保健所に連絡をもらい、保健所から本人にアクセスし相談につなげるものです。

でもそういう最中の厚労省の統計発表だったもので、大変ショックであります。

 自殺者には高齢者や子供も多いものですから、こういう人々へのケアーも大事です。高齢者対策としては、高齢者福祉の水準を上げておいて、経済的な理由で高齢者の方々が絶望的な気持ちにならないようにしなければならないと思います。一人の高齢者も路頭に迷わすことはないようにしようと宣言して、そのために、75才以上の高齢者が数が一番多くなる2030年を目標に高齢者福祉施設や高齢者在宅サービスの充実に努めているところです。しかし、一人暮らしの高齢者が大変数多く住んでいる当県で、そのような方の心が耐えられぬほど寂しい思いにかられたらどうしようと気が気ではありません。

 子供、少年少女も多感な年頃ゆえに、自ら命を絶つというようなことが大いに心配されます。またいじめ、虐待、体罰といった事で、自殺まで追い込まれる子供が絶対にないようにしないといけません。和歌山県では、教育委員会の仕事なので、自分は権限外だなどという首長がいっぱいいた以前から、教育委員会だけでなく全県庁をあげて取り組んで来ました。例えば教育長宛でだけでなく私宛のSOSメールも受け付けて、必要があれば県庁総動員で問題の解決にあたってきました。その結果、例えばいじめの解消率が全国一といったよい兆候も出てきています。しかし、この瞬間にも思い悩んでいる子供がいて、もしものことが起こったらと心配で仕方がありません。
 どんな時でも自殺はいけません。死んでしまったら取り返しがつきません。生きていたら、きっといいことがあります。
 私は時々各地の高校へ行って、全校の生徒さんに話をさせてもらっていますが、その中で役に立つ3つの言葉という事を言うことにしています。それは、すなわち、「日々の感激」と「もうすぐ終わる」と「まあいいか」であります。
 つまらない、つらいと思う人生であっても、そんなに大きなことでなくても「日々の感激」は皆さんにあるだろう。それを楽しんでいったら、生きていけるんじゃないか。
 そして、つらい、つらい事も必ずいつか終わるのです。私も仕事でいつまで続くぬかるみぞと思うような案件がいっぱいありましたが、それでもいつか終わります。だから今のあまりにもつらい現実はどうせいつか終わるんだと思っていれば何とか生きていけるんじゃないか。
 さらにつらい失敗も、雪ぎきれないほどの恥も耐えられない屈辱も、「まあいいか」と思ったら、また別の目標や生きがいが出てくるんじゃないかというわけです。
 子供さんだけでなく、一生懸命働いてくれている職員にもこの3つの言葉を送りたいと思っています。

 しかし、どうやら当県の自殺者はお年寄りや子供、若者に限らないようであります。働き盛り、分別盛りの40代、50代の方々の自殺も結構多いようであります。何とか悲劇を救いたい、そういう思いで、もう一度虚心坦懐に、原因を探り、対策を考えて、自殺しようとする人を無くし、命を救いたいと思います。
 君 死にたまふことなかれ。これは昨年の5月号の県民の友の知事メッセージに同じく自殺防止をテーマとして書いた文のタイトルです。あのときに書いたように、県庁を挙げて頑張っているのですが、今回の発表のような結果となり、残念ですが、もう一度心を新たにして頑張ります。

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