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仁坂吉伸の思い

ワーケーション

2019年08月26日

 今和歌山県はワーケーションの本拠地として大いに売り出そうとしています。ワーケーションというのは、働く=workと休暇=vacationをくっつけた造語で、日常と違った環境の所に行って大いに休暇を楽しみながら仕事もやろうという考えです。過去ずっと続いた概念は、仕事は仕事場でやって、たまの休みはどこかへ出かけてということでしたが、このままではどうも少し窮屈というか行き詰まりがあるような気がするのです。毎日同じ仕事場に通い、窮屈にデスクが並んでいるところで毎日朝から晩まで働くということでは、ひょっとしたら仕事がマンネリ化したり、想像力が働かなくなって創造的な仕事ができなくなっていくのではないかという心配があります。まして大都会のビルのジャングルの中の仕事場でずっと働き、通勤に長時間をかけてというのでは心身ともに疲弊してしまいます。一方忙しい仕事を抱えている人としてはなかなか休みを取れず、家族との時間も取れないということになりがちです。
 それならいっそ、仕事仲間と、あるいは時には家族連れで楽しく遊べるところに出かけ、出かけた先で半分は家族や仲間と遊び、半分は緑一杯、海や山が広がり太陽燦々のリゾートで気分を変えて浩然の気を養いながら仕事をしてみるということもいいのではないか、これがワーケーションの提唱であります。

 今和歌山県は東京羽田から70分の南紀白浜空港のある白浜、田辺地域にテレワーク形態や機能の一部の移転という形でIT企業が進出をしてくれ始めていますが、ワーケーションはこの一環として、もっと臨時的に、そのかわりもっと広範に、この傾向を進めてみようという試みなわけです。

 考えてみれば、世の中では働き方改革という言葉が大流行で、マスコミにこの言葉が登場しない日はないし、官公庁でもビジネス界でもこれにどう対応するかがどこでもかしこでも熱心に語られています。しかし、実際に起きていることは、単に残業を止めよう、働く時間を削減しようということばかりに関心が向いていて、ここぞとばかりに張り切っているのは労働局ばかりというのが現実です。やや思い切って言わせていただくなら、働き方改革と言い得るためには、真の働き方改革の処方箋がないといけない、どう働いたらいいかの答の方がほしいと思うのですが、その解が、労働時間削減しかなくては大いに不十分と言わざるを得ません。
 その十全な解を用意するのはとても難しいことだとしても、少なくともこのワーケーションは働き方改革を積極的に実現するための一つの解だと私は自負しています。また和歌山県のような観光で立県を図ろうとする地域にあっては、これは観光振興の大事な手段なのであります。
 
 和歌山県では中央省庁にならい、毎年次の年の政策をどうしていくかと言うことを一年を通して議論するプロセスがあるのですが、このワーケーションもその一環として今から3年前、時の情報政策課長として総務省から出向してきてくれていた天野宏さんが提唱をしてくれました。ワーケーションという言葉は2010年代前半に欧米で使われ始めたそうでありますが、日本でこの言葉を自治体として最初に使い始め、アピールをし、運動体にしてきたのは和歌山県であります。
 和歌山県が中心になって平成29年に東京で最初のワーケーションフォーラムを行いましたが、その際事実上ワーケーションを何らかの形で採用している企業が有益なプレゼンテーションをしてくれ、参加者の関心が高まりました。今年度も後述のイベントを開催していますが、毎年そのスケールが大きくなり、関心の広がりが窺えます。

 こうして産業界の中に関心が強まってきますと、自らの社員の働き方をどうしようというだけでなく、このワーケーションを新しいビジネス展開の種にしようという企業が現れてきました。その1つは三菱地所で、多くの顧客企業を自ら用意しているワーケーション用のオフィスに何日間か何週間お連れするというビジネスを考えようとしています。そのため、ワーケーションの最先端和歌山県と組んで、和歌山県と白浜町が白浜に用意したIT企業誘致用のオフィスの一室を恒常的に借りて、ここに次々と顧客企業の社員を送り込んでワーケーションを楽しんでもらうという試みを始めました。この和歌山でのニュービジネスが成功したら将来はもっと多くのワーケーション用オフィスを全国に展開するんだというお話です。もう1つの企業は日本能率協会で、この企業は、社員の能力開発研修の大手なのでありますが、その手法としてワーケーションという方式を取りたいということで和歌山県と協力したいという申し出をいただいたわけです。和歌山県では、この両企業と協定を結んで、このような立派な企業の力も借りながらワーケーションを推進しようとしています。

 このような和歌山県での動きにヒントを得たのでしょうか、全国の自治体、特に市町村レベルでこのようなワーケーションをプロモートするような動きが出ています。また、県レベルでは長野県が言葉は違うのですが、同じような発想で頑張ろうとしています。
 和歌山県は、こういう自治体に声をかけて、一緒にワーケーションをもり立てていこうと提唱し、去る7月18日東京で「ワーケーション・スタートアップ!」イベントを行い、その中で、長野県とワーケーション自治体協議会の設立に向けた宣言を行いました。

 和歌山県がワーケーションとして提唱していることは、単に観光地としての和歌山に来て下さいということだけではなく、働き方の新しい価値を発信しているのだと思っています。
 このワーケーションが日本のトレンドになり、人々がより幸せになり、創造力の発露を通じて日本の競争力がより高まれば、これに勝ることはありません。

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