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会津藩と保科正之
2019年10月07日
数年前に「八重の桜」というNHKの大河ドラマがありました。NHKの大河ドラマも朝ドラも、気に入ったのと、あんまり面白くないので見ないでもいいなあというのと、腹が立つから絶対に見るもんかというものとがありますが、この「八重の桜」とか「真田丸」とかはとても良かったと思います。
勝てば官軍という言葉がありますが、NHKの大河ドラマなども、総じてその傾向があり、賊軍扱いされている人は中々取り上げてもらえません。賊軍扱いされている人で主人公として取り上げられて共感を持って描かれたのは、私は井伊直弼と平将門しか知りません。ただ、最近は負け組でも、ある方面から見ると見どころがあるという主人公も取り上げてもらえるようになったと思います。(来年は明智光秀だそうで、これもその傾向の故かと思いますが、私は味方を後ろから切りつける輩は嫌いです。)
その中で「八重の桜」の主人公は会津藩そのものであったようで、薩長史観がまかり通ってきた、現代の世において、NHKがこれを取り上げたことは大変立派な見識であったと思います。
会津藩の始祖は保科正之、秀忠の唯一の妾腹の子で、これまた大河ドラマの主人公であった秀忠の正妻お江(阿江与の方)があんまり怖かったのか、秀忠は正之を早々に保科家に養子に出してしまいます。
しかし、この保科正之は、臣下の地位をわきまえつつ、徳川家光と家綱の将軍を幕閣として支えます。会津の殿様としても臣下に大変慕われているのですが、会津の人々に徳川の藩屏としての役割を強烈に植え付け、それが幕末から明治維新の時代の会津の悲劇にも繋がっていきます。
保科正之の家訓にはまずこうあります。
「大君の儀、一心大切に忠勤を存すべく、列国の例を以て自ら処るべからず。若し二心を懐かば、 則ち我が子孫に非ず、面々決して従うべからず」
私はここに私にとって大変好きな言葉を2つ見出します。
第1は「列国の例を以て自ら処るべからず」ということです。徳川を支えるのが我々のレゾンデートルであろう、だから他の国がみんな何か別の方向へ走っているとしても、それに迎合してはいけないということで、時局に阿ってはいかんと言っているのです。現代でも、皆がそうするから自分もそうしておこうという処世術が日本を覆っているような所がありますし、ひとたび「風」が吹き、「空気」が変わるとそれに唯々諾々靡(なび)いてしまう人がいかに多いことかということをよく思います。私も少々意地っ張りで、正義や、和歌山の利益といった点で理屈があるときはそういう風潮に逆らうので、「KY(空気を読めない)」と言ってよくからかわれました。しかし、私から言わせると会津は上から下までこのように立派だったので、あのような辛酸をなめました。私が知っているある中央官庁の会津出身の幹部は、今でも「鹿児島県に行くと悔しくて涙が出る」と言っておられました。
もう1つのすごい点は、「若し二心を懐かば、 則ち我が子孫に非ず、面々決して従うべからず」という点です。封建時代のことですから、殿様の子供は殿様となりますし、主君に対する部下の忠義は絶対です。ところが正之は、「仮に自分の子孫の会津藩主が徳川に弓引くようなことがあれば、その藩主の言うことは聞くな」と言っているのです。
これはすばらしい。
会社員でも公務員でも、上司の命令というのは、聞かなければ組織活動は成り立たないのですが、仮に上司が間違っていたら、何でもハイハイと従ってはいけない、間違いを正すのが道だと言っているのです。
どんな組織でもイエスマンばかりがはびこるとその組織の力が落ちてきます。堂々と非を鳴らして改善を提言できる人こそえらいのであります。ただ、これは結構難しい。仮にこのような真の忠君愛国者を暗愚の主君が気に入らぬと退けてしまえば、世の中はどんどん悪くなっていきます。従って、そのような場合、よく聞いた上で、「なるほどよく言った」とその意見を採用する度量が上にないといけません。和歌山県のトップとして、「自らが二心を抱かば、面々決して従うべからず」と職員に期待したいと思うとともに、自らもそのような職員を賞讃に満ちた目で見ることを大いに心しなければなりません。
