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仁坂吉伸の思い

文章作れぬ若者とSNS

2020年01月27日

 ちょっと古くなりますが、昨年12月5日の読売新聞の1面トップに「文章作れぬ若者」という記事が載りました。同新聞の「国語力が危ない」という企画の第1回目という位置づけです。
 記事の第1に挙げられた例が衝撃的であります。大手予備校の受験生から提出された要約文に「この公園には滑り台をする」という文があったそうです。こうした「主語、述語が不明確で、意味が通じない」文章が近年目に付くとされ、その上でこのような現象の原因の1つにSNSの普及があると日本語教育の専門家は指摘するわけであります。

 私も誠にその通りだと思います。SNSは便利なところももちろんあるのでしょうが、LINEなどで語られる短いコメントは、単語だけであったり、文節だけであったり、短い文章だけであったりして、国語力が十分になくても参加できるようなものが多く、そういうものにのみ浸っていると、ちゃんとした国語力がつかないなぁと思います。さらに、国語力がつかないということは、論理力とか洞察力とか判断力とかの能力も育たないということを意味すると私は思います。何故ならば、ちゃんと人に理解されるような文章が書けないということは、原因と結果の関係を考えるとか、人を説得するにはどうしたらよいかとか、これは本当かどうかとか、どう考えたらいいのかという事について、ちゃんとした言葉で説明が出来るように考えられないという事だからです。すなわち、国語力が危ういということは、それにとどまらず、日本人の頭そのものが危ういということに直結しているように思うわけです。

 以上の例から明らかなように、私は、最近よく見られるように、SNSで、ちょっと短い言葉を差し挟んで、「一丁噛み」をしているようなことはあまり褒められたものではないと思います。
 ところが、本来なら、正しい国語力を使い、それによって正しい情報を伝えるべきテレビ・メディアが、世におもねる気持ちからでしょうか、大事なテレビ画面をSNSによる読者の投稿に割いている例が多く見られます。こういうことはとてもいけないことのように思えます。
 テレビを見ていて嫌々見せられてしまう視聴者の投稿も短い感想めいたものに過ぎず、投稿者はこれで社会に繋がっているという満足感があるのでしょうが、そんな1人の感想など見たくもないものを見せられる私のような多くの読者はどうしてくれるのでしょうか。私の記憶ではこのSNS投稿いち早く始めたのはNHKのBS放送の少し高級なニュース報道だったと思いますが、瞬く間に他に拡がり、最近はスポーツ中継やニュース、さらにはバラエティー番組などにもこんな感想SNS欄が表示される時代になってしまいました。私は、TVのニュースやそれを下地にした報道は取材する記者やデスクにとって本来心血を注いで作るべきものであり、実は多くの場合、私は高く評価しているのですが、それを見た読者がちょろっと感想を述べることを一生懸命サポートしているのを見ると、自分達が作った番組を汚しているのではないかとすら思います。こんなのが入るのはその分だけ番組を真剣に見て味わうという営みを阻害するので、とてもいけないことではないかと思っています。ましてや、その番組の賢そうな顔をしたキャスターが、そういう感想をさも大事そうに引用したりするのは、一体テレビ局は、そんな軽い感想で語られるような取材と構成しかしていないのかと悪口を言いたくなるわけであります。もっとも最近はリモコンの青ボタンを押すと、この欄が消えますので、私はそれを励行して、番組に集中しています。

 ちょっと脱線しましたが、国語力が危うい現状は由々しき一大事ですから、我々は、SNSにのみ依存することなく、ちゃんとした読書をして、ちゃんとした説得的な文章を書く練習を教育としてよほど熱心に行っていかなければならないと強く思いました。和歌山県の教育でも大いにそれを目指したいと思います。

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