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仁坂吉伸の思い

新型コロナウイルス感染症対策(その31)-日本の奇跡は保健行政の現場から-

2020年06月15日

 全国知事会に新型コロナウイルス対策検証・戦略ワーキングチームというチームがあります。鳥取県の平井知事が座長としてがんばってくれていて、皆で議論をしたり、政府に提言、要請をしたり、平井座長が代表として政府要人と渡り合ってくれたりしています。
 6月12日、そのウェブ会議がありましたので、日頃思っていることを下記のとおり発言しておきました。

『最近テレビを見ているとコロナに関する世界の動向が分かります。世界的にまだまだめちゃくちゃだということがよく分かりまして、1週間単位でどの程度感染者が出ているかを調べてみました。途上国は抜いており、欧米との関係で考えたいと思うのですが、この1週間で、アメリカが15万人、ドイツが2400人、イギリスが1万1000人、日本は特定の所に偏っていますが273人。2ヶ月前はどうであったかというと、アメリカは22万人であまり変わっていない、ドイツは3万3000人でだいぶ減りました、イギリスは3万2000人で3分の1程度になりましたけども、日本は3087人が273人になったということは大変なことであり、これぞ「日本の成功」ということで、これを指揮した日本国政府はもっと褒められてしかるべきなのに何故か悪口ばかり言われています。政府の方は、本当にお気の毒な感じがしております。
 何故このようになったのかを、政府もマスコミも皆さんあまり言われないので自分なりに考えてみました。欧米はコロナが発生すると、外出移動制限・営業禁止の一本槍であり、これの強制力はすごくあります。日本の制度では同じような制度として特措法がありますが、強制力はあまりない。だから日本は国民が立派だと言われていますが、日本が欧米と違うところがもう1点あります。日本は感染症法に基づく隔離という権限とそれの組織としての保健所がある。欧米には厳密にいうと存在しない。従って欧米では、感染したらどんどん拡大することを止められない。個々の人がいきなり病院に行ってしまう。その結果、病院の能力を超えると重症者も手当てすることが出来なくなり人が死ぬ。これはダメだということで、発症しても重症化するまでは自宅で様子を見ておきなさい、病院に押しかけてはいけませんよ、というようになる。コロナに対する抑制は、接触抑制一本槍。8割の接触をカットしろ、こういう話だけが出てくるという状況にならざるを得ないと思うのです。
 ところが、日本は感染症法による隔離が出来ますので、感染させないよう保健行政がしっかり機能している限り、措置入院が行われ軽症者も重症者もしっかり治療が出来るということになる。これが違いではないかと思います。
 そうすると、本来ならば、日本政府が国民に言うべきことは今と少し違ってしかるべきではないかと思うのです。例えば、もうお止めになりましたが、発症した際に4日間は自宅に待機しなさいよ、と欧米と同じ事を言っていました。これに対して和歌山県は早期発見すればよいので、やや暇になっているクリニックの方に発見をお願いしようではないかと、和歌山のコロナ発見システムを作ってしまいました。また、まだ特に専門家の方に多いですが、接触抑制一本槍のご指導をしているような気がします。私は、接触抑制が効いて患者の発生が少なくなった今こそ保健行政をしっかり建て直せ、ということを政府は言うべきではないかと思います。本来、対策は2つのことの足し算であります。すなわち、保健医療行政と接触抑制(国民の協力)の2つの足し算であるはずですが、欧米のように接触抑制一本槍で政府のアナウンスが出てくるということがあります。これをやり続けていると、経済や生活が破壊されていきますから、日本はもっと自信を持って、前者の方により頼るという対策をやるべきではないかと私は思っております。
 国もだいぶそのような方向に舵をとりつつあるような気もします。保健所の再編が対処方針に出てくるようになりました。しかし、私はまだ不十分だと思っております。何故なら、対処方針に隔離という言葉がほとんど記載されていない。そうすると、PCR検査は隔離の手段であるということが忘れられて、マスコミでよく言われているように、PCR検査の数だけ強調されて、国の方々が苦慮されている。私もこれはお気の毒だと思うのですが、PCR検査は何のためにやるのかについて、もっと正確なメッセージを出さないからではないかと思うのです。ただ、これからはPCR検査も隔離の手段だけではなくなってくると思います。選別や予防のための手段でだんだん使えるようになると、活動がより便利になる。例えば、プロ野球で事前に検査をするということはそういうことだと思います。
 特に、政府においても、日本の大事かつ有力なよく効く現場をもう一度再評価すべきではないかと思います。そのうえで欠けたる事を病理学的な観点からアドバイスするということが必要なので、別に数学や統計学を教えて頂く必要はないと私は思います。
 それから特に地方圏の知事方は、現場の指導者・リーダーを非常に熱心に実務的にやられた、それが今回の姿ではないかと思います。そういう現場の親分・総司令官の観点から気がついたことを申しますと、保健所の統合運用が上手く出来ているところと出来ていないところで、最後にコロナにとどめを刺すことが出来るか出来ないかが全然違うということだと思います。これには、色々難しい所もあるのです。地方でも中核都市があり、そのようなところは別の保健所体系になっております。従って、簡単には統合運用は出来ないのですが、和歌山県は努力し、そして説得をしました。初めは、私達は独立だと言っていたがそう言うなよと言って、統合システムをほぼ完璧に作りました。その結果、結構上手くまわっています。例えば、和歌山県のような小さいところでも、北部の中程にあるところで学校クラスターが発生しました。その学校クラスターの先生達がどこから来ているかというと、海沿いの南の方や大阪府、和歌山市から多く先生達が来ておられる。従ってここでクラスターが発生し、この人の立ち回り先や濃厚接触者が分かってくると、そこを積極的に調査する統合本部からの命令がないと、感染者の囲い込みがなかなか出来ないということではないかと思います。政令指定都市のあるところは、本当に大変だろうと思いますが、これもがんばってやって頂かなければならない。どことは言いませんが、そういう困難は無いのに、そういうことについてトップがあまり思いを馳せていないなという所は、やはり感染者がばかばかと出てくるということではないかなと思いました。』

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