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仁坂吉伸の思い

次々と和歌山をおそう怪物

2020年09月28日

 こういうタイトルを付けると怪獣映画みたいなのですが、「怪物」は皆、小さくて、中には、中々愛らしいものもあるのです。

 先々週の月曜に、遅刻気味の中、そそくさと公舎を出る公用車の車窓から公舎の門前に小さなシジミチョウが専門用語で「まんじともえ」をしているのが見えました。大きさ、色、季節、環境から、私は「ははん、あれか。」と思いまして、「クロマダラソテツシジミが飛んでいるぞ、県庁の前のソテツにも付いているかもしれないね。」などと秘書と語りながら県庁に着いたのですが、そうしたら案の定というか、予想以上にクロマダラソテツシジミの大群が県庁玄関前のソテツに群がっているのです。
 これは、大変可愛らしい蝶ですが、いつもは日本にはいないのに、秋に風に乗って南の島から飛んできて幼虫がソテツの新芽をボリボリ食い荒らすのです。食われたソテツは見るも無惨な姿となります。
 これは新芽しか食えないので、新芽には薬をかけておけば退治できるのですが、今までさんざん昆虫採集をして虫の命を奪ってきた私ですので、さすがに地獄に行くのが怖くなり、それに「あーしろ、こうしろ。」では職員が育ちませんので、職員にどうしたらよいか勉強して、必要な対策を自分で考えてもらうことにしました。そうしたら、大騒ぎになりましたが、立派に必要なことをやってくれています。
 これも実はもう県内にかなり侵入してきていて、放っておくと県内の街路樹や庭のソテツがボロボロになるというおそれがそこにある危機であります。同じようなことは、ここ10年から20年ぐらいで県内のフェニックスがほとんどやられてしまったヤシオサゾウムシの侵入。南と北から食害が進みつつあるカシノナガキクイムシの大繁殖。数年前に果樹生産が命の和歌山県を震撼させたウメ輪紋病。そして、目下心配の種であるクビアカツヤカミキリ。およそ10年前、県庁決死隊が自衛隊の助けを借りてようやく大量の殺処分で抑え込んだ鳥インフルエンザ。近隣県まで押し寄せて来ているCSF(豚熱)の恐怖。と次々とこれまで和歌山にいなかった生物が襲来して、和歌山に大被害をもたらしているわけです。新型コロナウイルスは、考えてみると、最近侵入してきた外敵の最強のものと言えるかもしれません。

 こいつらがやってくるのは、人の往来や気候変動の影響で不可避ですから、やってきた時、いかに被害を最小限にくい止めるかが大事になります。

 和歌山県は目下コロナと闘っていて、全国でもその戦いや良しと褒められていますが、ポイントは相手の正体を正しく把握する知識を持っていて、それと闘う論理と体制(現場の力とコントロール技量)を持っているかどうかにかかっています。
 クロマダラソテツシジミの場合は、たまたま少し変わった昆虫少年の知事がいたので、早期発見をし、早期に対策を打てたので、県庁の資産の損害は軽微にとどまるはずですが、もしいなければ、県庁の正面のソテツがボロボロになってから騒いでいたはずであります。
 最近は、自然に親しむことが現代人は少なくなりました。それで昔の人なら変な虫がいるとか、木が変に枯れているということがすぐ分かったのに、そういう事がよく分からなくなっています。「和歌山県は(紀州は)木の国で、県土の76.5%は森林で・・・」などと挨拶文ではすらすら書くのに、杉と檜の違いが分からない職員が少し前は半分もいました。またマニュアルによる仕事が横行しますので、こういう時にはこうするという知識がある時や、命じられたことはきちんと対処できるが、未知なる案件に正しい反応を素早くすることが弱くなっています。
 これではいけません。まず、広く知識を世界に求め、そして、これは大変と思ったら、別に知事でなくても対策を考えて、それを早くとりましょうと組織に提言をする。そういう「少年」みたいな「大人」が必要になってくるでしょう。

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