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仁坂吉伸の思い

ロケットとおみやげもの屋さんの心意気

2020年10月19日

 週末、紀南に出張しました。最近は、道路もよくなってきましたので、公用車でも結構早く目的地に着けるようになってきました。時間に余裕がない時は、公用車で効率的に旅をしていますが、余裕がある時は、出来るだけ電車の旅を楽しんでいます。天井も高く、座席もゆったりで快適だし、景色もよく見えるし、一定の速さで走ってくれるので、読書にも快適です。また、ほどよい揺れはお昼寝にもこれまた最適です。せっかくJRが紀伊半島一周の路線を敷いて運行してくれているのだから、和歌山県民としては、せいぜい利用して、経営も大変そうな中、乗って残そうを実践していかないといけないという思いもあります。また、電車を使うと、いつも付いてくれる随行秘書君も運転手君も休んでもらえます。働き方改革にはとても良いわけであります。

 さて、そういう電車利用の出張をしたわけですが、目的地の串本では、宇宙シンポジウムに出席をいたしました。来年度中の第1号打ち上げを目指して、スペースワン株式会社の小型ロケット発射基地、スペースポート紀伊の建設が着々と進んでいます。スペースワンを指導するのがキヤノン電子の方々と和歌山県で、串本の田原地区の半島の先に小型ロケット発射場を造ろうというプロジェクトを始めてからもう4年になりますが、そのプロジェクトは順調に進み、コロナ下にも関わらず、土木工事はほぼ完成、これから建物、上屋を建て始めるというところにまで至っています。午後の宇宙シンポジウムに先立ち、シンポジウム関係者でサイトの見学に行かせてもらいましたが、まだこの話が起こる前から時々自然探訪に行っていた荒船海岸の一つの谷が、立派に変身して、打ち上げの模様が想像できるまでになっていて、感慨無量でした。

 和歌山でもたくさんのプロジェクトがあり、イベントがありますが、世界の最先端の動きの一端を表しているようなものは、これが最高のものだと思います、単に和歌山に何かの施設が出来て良かったねと言うものではありません。世界と激烈な競争をしている宇宙開発利用の最先端がここにあるのです。和歌山ではロケットの射場を造っているのですが、大事なことは衛星の小型化軽量化です。それは価格の低減にも繋がりますから、宇宙の利用の幅が格段に拡がるのです。世界には、自社だけで1万個の衛星を打ち上げて、これを利用して通信や情報サービスのために使用すると発表している企業がすでにあります。小型衛星を利用して行うビジネスも、災害画像データの配信、漁業の効率化から流れ星を夜空に流してお祝いを演出するサービスまで、およそ、人智の想像力は無限に拡がるのです。
 そうすると、この衛星をタイムリーに、かつ安く宇宙へ送り出すニーズが急速に拡大します。そこにスペースポート紀伊の存在理由があるのです。従来のように、大型ロケットで大型の衛星を打ち上げる必要もなくなると、それにたくさんの衛星を詰め込んでまとめて宇宙へ送り出すというのでは間尺に合いません。小型ロケットが利用者のニーズに応じて、タイムリーに打ち上げることが出来るようにならないといけないのです。この競争は世界を舞台に既に始まっていまして、今のところサービスを実用に供しているのは、米系企業がニュージーランドで行っている一つだけです。スペースワンのスペースポート紀伊は順調にいけば世界で2番目のものとなります。先んずれば人を制す。世界中で猛ダッシュで競争が繰り広げられている中で、ここ和歌山の串本の地は宇宙利用のグローバル競争の真っ只中のしかも日本の旗手なのであります。
 そのようなことを地元の人々にももっと知ってもらいたいし、広く世界にその心意気を発信したいということで、超一流の識者を串本までお呼びしてシンポジウムを開催しました。コロナ下ではありますが、和歌山県ではコロナは発生するものの上手くコントロールされていて、リスクにそう神経質になる必要がありませんから、会場に200名をお呼びしたところ募集開始とともに全席が埋まりました。それだけでは申し訳ないと、広くインターネットで同時配信も致しましたので、多くの方々に遠くから参加してもらえたのではないかと思います。
 また実際に打ち上げとなりますと、大勢の観光客が見物にお越しになると思います。放っておくとここを通っている国道42号線が大渋滞になるおそれがありますので、県と地元の公共機関、民間が一堂に会して、どうやって上手くお客さんをさばくかの計画も立てました。その主担当を務めた県の産業技術政策課の柴田和也課長が、そのさばき方の説明も致しました。
 そうして、満ち足りた気持ちで駅に向かったのですが、途中でおみやげを買いました。まぐろの佃煮であります。そうして、さて本でも読むかとホームで電車を待っていたら、「お客さん」と呼ぶ声がします。おみやげもの屋のご主人が息せき切って、駅まで追いかけて下さって曰く、「お売りしたのは、賞味期限が今日までのものでした。気がつかず申し訳ありませんでした。代金をお返しします。」
 私は賞味期限などにそう拘りませんので、「いいですよ。大丈夫。」と言ったのですが、そうしたら、「ではせめてお金だけでも返させて下さい。」と言われました。もちろんそれもお断りをして、「ご親切にどうも。」とお礼を申し上げましたが、これこそ「和歌山の人だ。」と思ってうれしくなりました。和歌山県は観光で稼いでいかないといけません。ロケットはもちろんその他の名所、旧跡、絶景、グルメ、温泉、歴史、海洋レジャー、体験、パンダ、猫の駅長・・・何でもありでありますが、それだけでは十分ではありません。

 旅人をもてなすきれいな、温かい心の持ち主が居ないと、旅人も満足してくれません。このおみやげもの屋のご主人を見て、和歌山は大丈夫だと満ち足りた気分になりました。

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