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仁坂吉伸の思い

よみがえりの地でのよみがえりの文化祭

2021年11月15日

 現在、和歌山県では県をあげて「紀の国わかやま文化祭2021」に取り組んでいます。これは、国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭を合わせたもので、和歌山県ではこれらを同時に開催しているわけです。期日は10月30日から23日間、この期間は主催県が選べるもので、奈良県はほとんど半年くらいをかけて行っていましたし、国民文化祭と障害者芸術・文化祭を別々に行った県もあるし、同時に開催という所もあります。和歌山県では、人々の関心を高め、持続してもらうためには、短期集中のほうが良いと考えて、両大会の同時開催、しかも23日間という形にしました。

 この文化祭は、まずは開会式から始まります。式典とその後のステージからなるのですが、これは素晴らしいものに仕上がったと思います。天皇皇后両陛下は、新型コロナ感染症のこともあり、オンラインで熱心に見てくださり、開会式終了後も式典参加者やいくつかの催事の主催者、出品者とオンラインで対話を賜り、熱心な御質問や御励ましをいただきました。予定の時間を大幅に超過となってしまいました。県民を代表して心からお礼を申し上げます。

 開会式典の後のステージは、この文化祭の開催が和歌山に決まってから、ずっと準備をしてきたものですから、見事に仕上がって、見ていた私も感涙にむせびましたが、ご覧いただいた招待者、実況中継をNHK和歌山で視聴された方一様に同様の感想をいただきました。

 開会式のステージやアトラクションは、こういう文化祭や国体、ねんりんピックなどの大きな大会の花ですから、我々は特に力を入れています。というと、すぐお金をたくさん用意して大広告宣伝会社などに企画を頼むということをやる自治体が多いと思いますが、和歌山県は、そういうところへ丸投げは致しません。企画は全部自前でやります。そのため県の職員と私が何度も何度もワイワイと議論してプロデュースしていくわけです。とは言え、実際のステージでは、大勢の人を舞台から後陣に動かしたり、衣装を用意したり、振り付けをしたりというプロでないとできない仕事もありますので、そこは受託をした大広告宣伝会社などにお願いするのですが、これでお願いしますという企画書はコンセプト、舞台回し、ナレーション、配役まで全部我々であらかじめ決めてあるのです。一度国体の時、それを全く解しない広告宣伝会社があてがってきたプロデューサーが、我々の企画書を無視して勝手にマスゲームの羅列みたいな案を持ってきて譲らないことがありました。まるで、お前たちのような田舎者の素人に何がわかる、というような態度を示すものですから契約は打ち切りだと叫ぶと、役員が陳謝にすっ飛んできて、プロデューサーを交替してくれました。もっとも、私は元職の関係で同じようなケースをたくさん経験していますので、この一連の流れは十分予測の上だったのですが、絵に描いたように、予測通りの展開となりました。かくて、2011年の全国植樹祭、2015年の国体、同じく障害者スポーツ大会、2019年のねんりんピック、そして今回と心血を注いで準備して、開花した式典は5つを数えます。

 これらもろもろの大会を通して、ずっとこだわってきたのは、ステージ全体が大会テーマを表したものとなっているか、各ステージが全体の流れの中にうまく位置付けられているか、各場面にどういう意味があるか、観衆の皆さんにわかってもらえているか(このためにナレーションを多用しています)、主要キャストには和歌山県が生んだ素晴らしいタレントを総動員することを考える、などですが、はじめは私が細部まで口出しをしなければなりませんでしたが、だんだんと職員が勘所がわかってきて、職員が細部をどんどん決めてくれるようになりました。私はといえば、観客席で感激に涙しているばかりです。

 開会式が終わると、いよいよ各々の文化行事のスタートです。和歌山県中文化一色です。早くから県民の皆さんにアピールしていたこともあって、市町村や、文化団体、NPO、学校などがどんどん呼応して、素晴らしい、力の入った催しをやってくれるようになりました。その数は150となります。プログラムを決めていた頃はいつも新型コロナの恐怖との戦いでした。新型コロナが大流行して、行事が、あるいは文化祭そのものが中止に追い込まれるのではないかという恐れがずっとあったのです。しかし、私は、余程のことがない限り、文化祭は絶対やると宣言をしていました。和歌山県では新型コロナとの戦いの中で、まず感染症法を利用して、保健医療行政が新型コロナと立ち向かうから、県民の皆さんの活動はあんまり制約しないですむはずだという確信を持っていましたし、世の中をじっと見ていると、新型コロナが和歌山よりもずっと大流行の東京などでも、プロ野球などは堂々と開催していて、それで感染の大爆発などということは聞いたことがないと分かっていたからです。したがって、各行事は遠慮しないでどんどん行えというメッセージを出し続けていましたし、開会式もどんなに感染が大きくなっても、当初のスケジュールで当初のスタイルでやるとつとに決めていました。天皇皇后両陛下に御参列いただく会ですから、感染防止のために規模や方法を縮小してはどうかという意見もありましたが、感染が一定以上ある時は両陛下の御出席を無理にお願いするようなことはしませんから、どうか当初の形で開催させてくださいと要路にお願いしてそうなったわけです。ただ、今はともかくほんの2か月前には全国的に感染もかなり大きかったわけですから、天皇皇后両陛下の行幸啓はオンラインと決定されたのですが、両陛下には当初のフルバージョンの式典、ステージをご覧いただくことができてよかったと思っています。

 青私は主催者ですから、できるだけ多くの催しに行かせてもらって関係者の皆さんを励まして回っています。それぞれ、それはそれは素晴らしいものばかりで、和歌山の文化の底力を感じています。
 もともと各種の文化活動の盛んな地でありますので、この紀の国わかやま文化祭2021がそのような人々の活動に大いに火をつけて、大きな盛り上がりになったと感じています。また、和歌山には文化のモチーフをくすぐるような物語がたくさんあります。神武東征、紀州徳川家の存在、祈りの聖地高野・熊野、弘法大師、稲むらの火の濱口梧陵、世界初の全身麻酔の華岡青州、南方熊楠、神武東征を彩るヤタガラス、トルコの軍艦の人々を助けたエルトゥールル号事件、外務省構内に唯一銅像のある陸奥宗光、古くからの漁業や捕鯨文化、和食の起源をなす醤油などの発祥の歴史、県土を彩る各種の果樹、うっそうと茂った緑の木々、多くの物流を生んだ紀の川や熊野川などの流れなどなど文化活動のモチーフとなって、これらを刺激してきた多くの遺産があります。これらをもとにまさに和歌山の文化が百花斉放の感があるのです。
 関係の皆さんと話をしていて、口々に言っていただくのは、新型コロナの中で文化祭を中止にせずよくやってくれた、こうやって観客の皆さんに披露するのがどれほど有難いか、その機会をずっと新型コロナで奪われていたのが、本当に久しぶりにこうやって演ずることができ、出品することができて本当に嬉しいということでした。
 また、いくつかの催しでは、全国の団体や同好の方々が遠くから参加して演じてくれました。その方々も和歌山の姉妹文化団体の方々に、「和歌山がこうして大会を開いてくれ、我々に出演の機会を与えてくれたのが本当に嬉しい。長い間こういう機会が与えられていなかった身としては、まさに生命がよみがえったようだ」と口々に言ってくださったとのことであります。

 和歌山は古来からよみがえりの地であります。心身とも消耗した人々が、高野や熊野に詣でることによって、もう一度元気と活力を取り戻すという地でありました。大会のテーマにありますように、「山青し、海青し」の豊かな自然と優しく厚い人情の人々が、高野参り、熊野詣の人々の心身をよみがえらせてきたところであります。そのよみがえりの地、和歌山で行われた文化祭が新型コロナで疲れ、傷ついた人々を文化活動に参加し、精いっぱい奮い立たせることによってその心身をよみがえらせていることに、我々和歌山県人は誇りを感じます。

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