よみがえりの地のよみがえりの文化祭終了

 和歌山県では、10月30日から11月21日の23日間、全県を舞台に国民文化祭と障害者芸術・文化祭がくり広げられました。これらを同時開催にしましたので、総称して「紀の国わかやま文化祭2021」と名付けました。10月30日の開会式は、天皇皇后両陛下のオンラインの御臨席を仰ぎ、大会テーマ「山青し、海青し、文化は輝く」を表したステージを、和歌山県ゆかりの文化人や地元の方々の御参加を得て、舞台いっぱいにくり広げました。
 そして、その後は、音楽、演劇、映画、舞踊、文芸、美術、伝統芸能、生活文化、歴史文化等々の各分野で市町村や各文化団体が大いに張り切って下さって、都合150にのぼる素晴らしいイベントが次々とくり広げられました。
 私も文化祭のはしごみたいになりましたが、時間の許す限り、できるだけ多くの催しを見学に行き、皆様の笑顔に接することができました。
 各主催者の方々からは、コロナが心配の中で、よく開催にふみ切ってくれた、発表の機会がなくなって、落ち込んでいた会員、出席者、出演者の皆さんがすっかり明るくなれたと感謝の気持ちをいただきました。
 また、昨年来、このような正規の形での文化祭はずっと中止でしたので、他県から来られて出演をされたり、作品を出品されたりする人が一様に、よく和歌山県は開催にふみ切ってくれた、本当に感謝するとおっしゃってくれているとのことでした。
 和歌山県は古来からの観光地ですが、その心は高野・熊野に典型的にあらわれているように、心身のよみがえりです。そのよみがえりの地で、文化祭がこのようによみがえって、全国の文化愛好者の心を明るくすることができたことを、県民の皆様とともに誇りに感じたいと思います。まさに、よみがえりの地、和歌山でのよみがえりの文化祭です。

 その文化祭も11月21日の閉会式をもって終了しました。来年は沖縄県に国民文化祭、障害者芸術・文化際のバトンが渡されます。自分であるいは和歌山県民が言うのもいささか僭越かもしれませんが、我々和歌山県民は、このコロナ禍の中で、この文化祭という素晴らしい催しを最高の形で実現し、次に引き継げたことを喜びといたします。
 先述のように、「文化祭のはしご」を時間の許す限り行い、その結果この3週間余りは超多忙になった私ですが、終わってみると、もっともっとこの至福の時が続けばいいのになあと思う気持ちを見つけて驚いています。その気持ちを生かし、県民皆がそれぞれの分野で打ち込んだ文化のレジェンドをいつまでも保持するために、来年から11月を文化月間と定め、できるだけ多くの文化イベントを集中し、また支援もしていくつもりです。