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仁坂吉伸の思い

『めぐみ』

2021年12月13日

 北朝鮮によって拉致された横田めぐみさんのことを描いた30分くらいのアニメ映画のタイトルであります。今年は、横田めぐみさん達が拉致されてから44年、小泉首相(当時)の訪朝で金正日主席が拉致を認めてから19年となります。映画の中にもありましたが、船倉に閉じ込められた横田めぐみさんは助けを求めて、船倉の壁に爪を立てて引っ搔き続けたそうです。血のりがべったりと残っていたと聞きました。どんなに辛かったことでしょう。また、娘さんが突如としてさらわれてしまった横田さんのご一家をはじめ拉致被害者のご家族の悲しみを考えると深い共感と憤りを感じます。長い間めぐみさんを取り返そうと大変なご努力をされてきた横田滋さんはとうとう2020年お亡くなりになりました。他の拉致被害者やそのご家族もご高齢となっており、問題の解決には一刻の猶予も許されません。

 北朝鮮は2002年の小泉首相訪朝時の日朝首脳会談において、ようやく拉致を認めましたが、1970年代以降、多くの日本人が不自然な形で行方不明となり、当時から北朝鮮による拉致の疑いが濃厚であったにもかかわらず、当時は高名な政治家や識者の中に「北朝鮮がそんなことをするはずがない」と拉致そのものを否定した人もいて、マスコミもそれに同調し、その真相究明や警察の捜査を抑圧するような風潮があったことは大変残念であります。当時、北朝鮮を擁護する主張を唱えた人やそのような論調を張ったマスコミで、北朝鮮自体が拉致を認めたというその現実の中で、前言の誤りを公言し、懺悔をし、謝罪をした人を私は知りません。私は横田めぐみさんをはじめとする拉致被害者が明らかにいる中で、その被害者やご家族を長く冷たく放置し、国際親善の名のもとに、外国政府による日本人の拉致という明らかな犯罪を糊塗しようとした当時の日本は、我が国の歴史上の汚点であると思います。このことは我々日本人は大いに反省すべきであります。

 政治でも、行政でも外交でも、その目的が正しいなら手段として何をしてもよいということはありますまい。北朝鮮の建国上必要だったのかもしれないが、そのために人を拉致するということが許されていいわけではありません。しかも相手は、横田めぐみさんや有本恵子さんのような、いたいけな少女だったり力の弱い女性だったりするようなことは、その後起こった韓国政府による韓国人の(当時の)野党政治家金大中氏拉致事件に比べても、もっと憎むべき大罪です。

 この目的が正しいなら手段として何をしてもよいということはない。手段も正しくないといけないということは、我々日本人は忘れてはならないことだと思います。しかし、ともすれば時々忘れがちではないかと思います。
 大河ドラマの主人公によく登場する西郷隆盛は、何といっても明治維新の元勲ですし、人間的にも大変魅力的な人物であったからこそ、あのようなリーダーシップを発揮できた人だということは疑いようがありません。しかし、公武合体派を抑えて倒幕を達成するため、恭順の意を示している徳川慶喜を挑発するために、江戸の商家に押し込み強盗をし、武器を持たない商家の人たちを皆殺しにしたり、放火をしたりすることを、部下に命じて実行させています。明らかに最もひどいテロであります。明治維新後、吉田松陰が神聖化されたり、西郷隆盛のこのようなテロ行為に何のお咎めもなかったことが、私は国のためならばとテロを働いた昭和の軍部暴走につながっているような気がしてなりません。
 北朝鮮とひょっとしたら仲良くしなければならないとしても(歴史的にみると明らかに間違っていましたが)、その行為に不正義があれば容赦をしてはならなかったのです。横田めぐみさん達の拉致被害者やご家族を苦しめたのも、目的が良ければ手段はあまり問題にしないと思ってしまうという流れに通ずるものではありませんか。

 この拉致問題において大事なことは当たり前の人権、当たり前の人道、当たり前の正義を常に堂々と語ることだと考えます。どんな目的であろうと人を拉致して自由を奪うことは言語道断であって、まして日本人が被害にあっているというのは同じ日本人として決して許すことができないことであります。
 我々は、可能な限りあらゆる手段を使い、拉致被害者を一刻も早く取り返さなければならないと強く感じます。

 アニメ映画『めぐみ』を見て、あらためてそう思いました。
 和歌山で育つ人が皆そういう気持ちになってもらうように、横田めぐみさんはじめ拉致被害者とそのご家族の方々のために涙してくれるように、先日関西広域連合議会で関西広域連合長として答弁したとおり、すべての学校の子供たちにこの映画を見てもらえるように努力していきたいと思います。

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