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仁坂吉伸の思い

モーニングと旅行かばん

2022年06月30日

 私は、ものもちがとても良いほうだと思います。身の回りのものも、気に入ったものはいつまでも使い続け、時々壊れますからプロに修理をしてもらって又使い続けます。気に入ったものはと申しましたが、次から次へと気に入ったものが現れて、どんどん買い替えて、いつもセンスが良くておしゃれ、という人と正反対の人間であります。そういう意味では浮気性ではありません。
 そういう長く使い続けているものの中にモーニングと旅行用の小さなかばんがあります。両方とももう30年以上使い続けていますが、いずれも私が買ったものではありません。私の岳父(妻の父)が生前使っていたもので、亡くなった後、使わせてもらっているものです。モーニングは、私も自分の結婚式のときに作りましたが、当時痩せっぽちだった身体が結婚後どんどん太って入らなくなっていたので、ちょうど岳父が亡くなった時体形がほとんど一緒だったので拝借したものです。したがって、今だに、内側のイニシアルが妻の旧姓「新保」になっています。私はその後また少々太りましたので、最近は少々きつくなりましたが、まだ使えるので、使わせてもらっています。
 出張の時に持ち歩いている黒い小型のかばんも岳父が使っていたものです。いまだに存在する仏のブランド品なので、おそらく出張か何かで外国にでも行ったとき買ってきたものではないかと思います。やわらかい皮製ですが、軽いし、皮が柔らかいので中身をいっぱい詰めても何とかなる、便利さが気に入ってます。でも何分お年寄りなので、さすがに皮にひびが入りかけていて、年季ものの感がありますが、平気で使い続けています。

 妻の父は、新保實生といいまして、教員をしていた父が台湾で教えていたために台湾生まれ、旧制台北高等学校から東大法学部を経て、昭和18年入省の大蔵省の役人でした。おそらくその中でも外型標準から見ると群を抜く大秀才だったと思いますが、お酒は一滴も飲まず、生真面目に滅私奉公を続けた人と思います。最後は北海道開発庁事務次官を経て、昔あった北東公庫の総裁になり、ちょうどその頃起きていた特殊法人の整理話の中で、北東公庫を守るために四苦八苦していました。そのためか、体を壊し、退職後ほどなく悪化して亡くなったのですが、葬儀などは生前よく頑張ってくれたと思ってくれた北東公庫の職員の方々が親身になって手伝ってくれました。私は途中から岳父の家の一部に間借りして住まわせてもらっていたのですが、私が遊んで帰ってきたときもいつも書斎の明かりがついていて勉強している姿を見て、わが身を恥じること再三でありました。

 身内のことを長々と書いて申し訳ありませんでしたが、今でも使わせてもらっている身の回りの品を見るにつけ、岳父のことを思います。そして、その岳父が結婚を許してくれた妻のことを大事にせねばと思います。しかし、現実には結婚後、もうすぐ50年になるのに、仕事にかまけて、ずっと苦労を掛け通し、大事にするどころか、大事にされっぱなしの妻に申し訳ないと思っています。

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