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仁坂吉伸の思い

新型コロナウイルス感染症対策(その90)-第7波は大変-

2022年08月22日

 新型コロナウイルスの第7波は感染力がものすごく、全国的にそうですが、和歌山県でもどんどん感染が拡がって、定評のある保健医療行政も青息吐息、保健所、それを統括する県庁ヘッドクォーター、新型コロナ対応をしてくださっている病院、応援をしてくれている市町村行政、各地の医療関係者、看護協会の方々等この殺人的な暑さの中で、限界をはるかに超えた対応をしてくれていて、そのトップである私としては、いくら県民のためとはいえ、この対応部隊そのものが倒れて壊滅してしまわないかとハラハラのし通しです。そんな中で、使命感に燃えて県民の命を救うために必死で働いてくれている関係者に頭が下がります。

 とりわけ和歌山県における最近の動きとしては、休日に一般のクリニックが休みの中で、特別の医療機関に設けてある発熱外来に新型コロナの発症者や、新型コロナ以外の発熱者が集中してパンクするという事態が起きたので、県庁からお願いをして、当分の間休日にも外来を開けてくれるところはありませんかと募ったところ、なんと180を超えるクリニック等が手を挙げてくれて、一般の休日はもちろんお盆休みの間も医院を開けてくださっています。本当に感謝します。

 それでも現状は容易ではありません。これだけ一生懸命感染の拡大防止に努めている本県でも時に一日2000件を超えるような新規感染者が現れるというのは驚愕です。もちろん、オミクロンになってからBA.1やBA.2の第6波も、BA.5の第7波も重症化する人の割合が少ないことは事実ですし、肺炎になって、時間を追って重篤化して死に至るという人の割合が少ないことは事実なのですが、それでも高齢者や重い基礎疾患のある人は命の危険があります。しかも、こうも感染者が増えると、どうしても自然とそういうリスクのある人が感染することも多くなるので、亡くなる人も増えてくるという事態になっています。

 今は基本的に自宅療養で、若い人は通常は症状が重く出た人でも二日ぐらい高熱で痛めつけられた後は軽くなり、一週間ぐらいで、一応治るということになっていますが、重くなる人は入院していただいて、命が失われるのを食い止めるという体制です。和歌山県は、大都市などに比べると、病床数もまずまず確保していましたし、まだ入院余地のある時は県庁の判断で高齢者などリスクの高い人は重篤にならなくてもすぐ入院していただいていました。また、高齢者福祉施設や非コロナ対応病院で発症者が出た時も他への感染を防止するため、患者さんをその施設から出して入院してもらっていました。そのため、和歌山県の病床占用率が他県より結構高いという時期がありました。その時の入院率(感染者中入院をさせた人の比率)は5%強で、他県で軒並み1~2%台であったのと対照的でありました。
 しかし、その和歌山県も感染者の急増でそうはしていられない状況になっていて、重症化した人、又はなりそうな人以外は入院していただけないという状況です。その分県庁の入院調整は大変になっています。また、高齢者福祉施設や非コロナ病院で感染者が出たら、その施設で適切な隔離をしていただいて留まっていただかざるを得なくなりました。さらに、あまりに感染者が多いので濃厚接触者やそれに準ずる疑わしき人の検査の世話をするのに保健所の手が回らなくなっていますので、そういう人は自主的に家にいてください、というお願いをせざるを得なくなっています。
 感染者を発見して、適切に「隔離」して、感染の拡大を防止している保健所を中心とする保健医療行政も、あまりにも忙しくて十分な対応ができにくくなっていますので、8月5日からは、陽性が判明した人は、自ら基本情報入力をスマホでやってもらい、(もちろんスマホが不自由な人は口頭で保健所に連絡してもらうのですが)保健所の陽性者のケアは、乳幼児や高齢者、基礎疾患のある人に重点化して電話などで様子を聞くという方法に切り替えざるを得なくなっています。さらに、次の工夫として、何らかの症状のある人はwebで抗原検査キットの配送を申し込み、自己検査で陽性になった人はまたwebで登録をしてもらおうかというような工夫も検討しています。

 それでも、保健医療行政は県民の命と安全のため感染防止のためにやれるだけのことはやるという姿勢は崩していません。皆私の部下や、協力者である人々ですので苦労させてひたすら申し訳ないと思っています。しかし、この申し訳ないという思いにとらわれすぎたり、現場がもうこれ以上頑張れないと白旗を掲げたり、また、そう思いたくはありませんが、もう私たちの責任ではないというお墨付きをください、責任は問われたくありませんと思ったりして、保健医療行政の責務を放棄しようとする動きが、一部の県と政府の周辺にいる専門家にあるように思い、私は大変な苦労をしている人を身近にしているわけですから気持ちはわかりますが、正しいとは思いません。
 こういう考えはいろいろと方法が違いますが、「新型コロナを感染症法の2類相当から外して5類にせよ」という意見だったり、もう「本県では保健所から積極的疫学調査や濃厚接触者の特定を行うことは基本的にしません」という宣言であったりと色々です。しかし、こういう動きは、将来いくつかの条件が整ったら、是認されるべきと私も思いますが、今の段階では次の4つの理由で危険です。

1.もう保健所の関与、隔離などはいらない、という人はこの病気がうつった人を救うことしか考えていなくて、うつった人が他の人にまたうつす可能性が高いということを忘れていると思います。確かに、うつっても元気な若い人々はめったに命の危険はありません。しかし、その人とうつした可能性のある人に適切に自己隔離しもらって人にうつさないようにしないと、感染はいくらでも拡がっていきます。そうすると、その中には体の弱い人、高齢の人もいるので、命が失われていきます。医療がひっ迫するのは保健所がいちいち関与して医療機関のすべてを使えなくしているからだと実態を知らない人が時々言いますが、いくら保健所の関与を排しても、感染者がとめどもなく拡がれば、一定の確率で病院で治療をしないといけないような人も増えてきます。そうすると医療ひっ迫は加速します。また、新型コロナはものすごい感染力なので、保健医療行政が頭を下げてお願いしないと新型コロナ患者を入院させてくれる病院などほとんど期待できないのが実態なのです。

2.一部の人は新型コロナはインフルエンザみたいなものだから罹ってもいいではないか、あまり死ぬ人もいないのだからという主張をします。しかし、インフルエンザでも人は死ぬとは言え、まだ新型コロナの致死率とインフルエンザのそれは違います。体の弱い人やうんと高齢の人は、罹ると亡くなる確率も高いのです。私はそういう人は死んでもやむを得ないのだからもう新型コロナが社会全体に拡がってもいいんじゃないかとはとても言えません。

3.まだ有力な経口薬が拡がっていません。新型コロナに罹ったら解熱剤の服用などの対症療法と、外国製の経口薬や点滴によるコロナ薬の投薬など中々社会全体に適用しにくい方法で医療機関は対応しているのです。「あ、コロナか。それならこの薬を飲んで安静にしていてください。」というようにまだなっていないのです。

4.感染症法でも明らかなように、新型コロナの感染防止の責任者は県行政を預かる県知事です。うまくいかないときの責任は県知事にあります。またその下で保健医療行政を担っている県の担当者、保健所もその下で現場の責任を分担しています。
  この責任という重圧は大変なもので、新型コロナがあまりしぶといものですから我慢の限界を超えて、私ですらもう責任をかなぐり捨てたいという気持ちになります。しかし、戦争のとき国を守るべき軍隊が逃げてしまったら、犠牲になるのは一般国民であるように、保健医療行政が責任感の重圧に負けて職場を放棄したら、困るのは県民、国民であります。公務員はそういう困難な時でも県民、国民を守るために存在するのだから、これは逃げてはいけません。もしそれでも「もう駄目だ、逃げよう」となった時に、自ら戦線を放棄して逃げたら人に指弾されるでしょう。その時は、より高位の人に逃げて良しと認めてもらうのが得策です。逃げろと命令してもらうのが一番良いのです。今一部の県や政府の周りにいる同じ「村」の住民である専門家の方々が言っていることは、まさにこのことのような気がします。そして、現場を死守している保健医療行政の職員が「上」の命令で撤退したら、新型コロナは今の何倍ものスピードではびこり、国民や県民で泣く人が増えるでしょう。そしてその怒りは一番上の人、すなわち、首相や政府に向かうと思われます。

  事実ずいぶん前に医療ひっ迫を解消するために保健医療行政の関与を縮小して、新型コロナ対応をそれぞれの医療機関に任せる方向に舵を切った県で、公表感染者をはるかに超える把握されていない感染者がいっぱいいるといわれているものも含め、感染は爆発し、医療ひっ迫は解消されるどころか病床使用率が100%に近いぐらいの大変な状況に達しているように報じられています。さらに言いたくないけれど、そうして多く見逃されている感染者がその県内に留まるはずがありませんから、保健医療行政が死にそうになりながら頑張っている他県の人々に感染を拡げているということは明らかですので私はやるせない気持ちでいます。

 最後に4つ付け加えたいことがあります。
 その1つは、和歌山県では保健医療の現場が必死で頑張ってくれていますので、新型コロナの病気としての実態がよくわかります。その現場からどうもBA.5はBA.2より重症化リスクが少し強いのではないかという懸念が寄せられています。若い人は大したことはないという見解が多数ですが、若い人でも酸素吸入を必要とする人が少しずつ増えています。肺炎が結構出ているということです。時には、うんと若い人も重篤化する例も見られます。したがって、あまりこのオミクロンBA.5を甘く見ないほうが良いと思います。

 その2つは、今回も政府の薬事審は塩野義の経口薬を承認見送りとしました。私はプロではありませんが、たいして効かない風邪薬や胃腸の薬などがある中で、本当に今困っている新型コロナの薬を効くかどうか自信が持てないという点をそんなに重んじなくてもよいのではないかと思います。重い副作用が出るのは絶対に見逃してはいけませんが、あんまり効かないかもしれないので、効かない薬を承認した責任は取りたくないというような態度は、新型コロナのこの惨状の中では、本当にやめにしてもらいたい。本当に効かなかったら、人々が使わなくなって自然にマーケットから消えていくだけではないかと私は思います。経口薬が簡単に使えるようになったら、私は、新型コロナの感染症の2類相当から5類もあり得るのではないかと思っているからこそ、あえて苦言を呈したいと思います。

 その3つは、政府専門家が、この第7波では行動制限はしないと言っている時の態度です。和歌山県はずっと感染の拡大防止は保健医療で対応するから、県民には少々気をつけてもらいながらも普通の生活を送り、経済活動も追及してくださいと言い続けてきました。その間一貫して行動制限、最後は飲食が核心だと言い続けてきたのは政府の専門家です。だから、今更という感もありますが、行動制限を主張しないという見解は評価します。しかし、それなら、かつ新型コロナがまだ怖いということなら、もう一つの政策手段である保健医療行政に最後の防波堤として頑張ってください、と言わなければ論理的ではありません。ところがその方々が実際に主張しておられることは、その保健医療行政の手抜きをしろということです。私は何のためにこういうことをおっしゃっているか理解できません。お仲間の保健所の職員やその親玉である地方行政のトップの責任を軽くするためにだろうかと疑います。私もその行政のトップの一人ですので、「ありがとうございます。おかげで楽になります。」と言わねばならないのかもしれませんが、私は私のために仕事をしているわけではありません。部下はこんなに大変で気の毒だけど県庁職員のために仕事をしているわけでもありません。我々のクライアントである県民のために仕事をしているのです。そのために責任も負っています。したがって、政府の専門家のおっしゃることは、ありがた迷惑です。

 その4つは、最近よく言われる保健所や医療機関が多忙を極めているので、コロナの全数把握はもうやめにしようという議論についてです。全数把握のために、医療機関や保健所が厚労省の定めた結構詳しい様式に従って個々のケースをすべて入力しています。その結果、国でこの病気の動向がわかるわけです。また、そこから有効な対策の示唆も期待できます。しかし、一番大事なのは、今そこにいる患者を救うことと感染の拡大防止を図ることですから、報告業務に手がかかるので、この本業ができないというのなら、そういう「全数把握」を省略することは理解できます。また、少し意地悪すぎるかもしれませんが、地方にいると、そうやって集めた膨大なデータから有力な対策を政府の専門家が示唆してくれた記憶があまりありません。宝の持ち腐れのような気がします。それなら、そこは手抜きをしてもよい。平井全国知事会長が日本医師会とともに政府に申し入れたのはこういう趣旨だと思います。しかし、そこに私は1つ重大な懸念があります。それは、この「全数把握」という言葉の意味です。その意味がこれまで私が述べてきたような意味ではなく、「感染症法の大事な政策主体である保健所、保健行政がコロナの感染者の全員をもはや追わない、重症者だけ相手にする」というように考えて「全数把握」はもうやめるというように言っているとしたら、これは大問題です。コロナはうつる病気ですから、はじめから重症者とそれ以外とに分けられるはずがありません。はじめは軽く、そのうち重症になるのです。また軽いコロナ患者も放置しておくと、人と接触してどんどんコロナの感染者が増えていきます。これでは、本当に困ります。したがって我々は「全数把握はもうやめる」ということの意味を厳しく追究する必要があります。

 以上、またいろいろと書き連ねてきましたが、和歌山県も感染の急増に本当に大変です。全面的行動制限はしませんが、それぞれの県民の方に守ってもらいたいということは次のように熱心に訴えています。どうぞよろしくお願いします。

新型コロナウイルス感染症対策 県民の皆様への呼びかけ(画像をクリックでPDFファイルをご覧いただけます。)

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