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仁坂吉伸の思い

借金不払公認令

2011年06月06日

 久しぶりに後援会長神坂次郎先生の文庫本が文藝春秋から出ました。「元禄武士(サラリーマン)学」というタイトルです。さっそく買って読んでみました。その中で、借金不払公認令という点がとてもおもしろかったのでご紹介します。

 享保の頃、という徳川吉宗将軍の頃、大名や武士の窮乏が進み、借金で首が回らなくなる者が続出したために、幕府は借金は返さなくてもよろしいと言う徳政令を出します。喜んだのは借り手であった武士の面々ですが、貸し手の商人も黙ってはいませんで、体面を気にする大名、武士方の性向につけ込んで、返して下さいと、門前や行列の横で大声で叫び、門に貼り紙をするのです。すっかり弱ってしまった大名、武士を助けようと幕府はさらに、取り立て活動までも禁止してしまうのです。そうすると貸す人がいなくなり、もっと経済は大変なことになるのです。が、このような、いたちごっこがおもしろく書かれていました。

 このように、経済や社会の動きは、政府が何か制度をいじると、それに今度は対応して別の動きが出てきます。これを副作用と名付けるとしますと、この副作用があまりにもひどく、当初の政策のねらいである、いい効果など吹き飛ばしてしまう恐れもあります。
 私たち政治や行政を預かる者は、いつもこういう副作用を考慮に入れて仕事をしなければならないのですが、最近の日本政府を見ていると、どうもこういう事をあまり考えないで政策決定をしているように思えてなりません。例えば、高速道路無料化の社会実験なんぞは、むしろ、こういう副作用に対して実験という言葉で目をつむるという開き直りをしているようにも思います。「事業仕分け」もそうです。公開の場で古い制度を議論するというのは私も正しいと思いますが、ほんの少しの議論だけで、しかも総理大臣でもない一握りの国会議員と民間の委員が事業の是非を結論づけてしまうというのはかなり危険です。事業の廃止によって困ったことがカクカク生じ、それをシカシカのごとく手当てすることによって、全体としてはこのような状況を作っていこうと、一見へっぽこに見える役人の意見も聞いて結論づけていくべきものだと思います。

 一つの例が、電源立地交付金です。和歌山県にも御坊、海南の火力発電所があり、その維持には県民の協力も必要だということで少額の交付金を当県ももらっていたのですが、CO2を出す発電所にそんなものはいらないという地球温暖化対策だけの見地から蓮舫さんに原子力とLNGと自然エネルギー以外はばっさりやられてしまったのです。
 しかし、御坊や海南は、原子力発電にもしものことがあった場合のバッファーとしての意義を持っており、普段は動かさないことによって、石油とCO2を節減し、いざとなれば動かして助けるぞということでエネルギーの安定供給に役に立っているのです。
 現に福島第一原子力発電所の事故以来、この関西においても定期点検で停止していた原子炉を再起動することに福井県が反対しているために、夏のピーク時の電力不足が予想されますが、その際にフル稼働して、少しでも電力不足を緩和してくれそうなのが、この2つの火力発電所なのです。

 かくして、格好良かったあの「事業仕分け」のボロは次々に出てまいります。先の例で言うと、そんなに意味のない発電所だというのだったら、バッファーとして、この電力不足の危機に動かすのを反対してやるぞと言ってみたくなるほどです。

 「ああすればこうなる」をいろいろな角度から大いに議論して、政策を進めるべきでしょう。

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