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仁坂吉伸の思い

官僚支配

2011年07月04日

 最近は「官僚支配」という言葉が結構よく目につきます。政治家たるトップが部下の職業的公務員すなわち官僚に操られている様を言うのですが、これも変な話で、要はトップが自分もアイデアを出し、官僚の言うこともよく聞いて、官僚が不合理なことをしていたら、それを論破して退けることが出来たら何の問題もないのです。
 最近は、それにもかかわらず、こういうトップの責務に言及することなく、役人が何か建設的なことを言ったり、したりするとすぐ「官僚支配」でけしからんということになります。それを背景に官僚が建設的提言をしないという傾向がよく見られます。そういうことになると、優秀だった官僚も、言わば実戦で鍛えられないわけですから想像力も落ちてきて、優秀でなくなってくるという恐れもあります。官僚はどんどん進言すればよいのです。官僚支配になるのは100%トップの責任です。

 ただし、官僚諸君は色々と気がつきますから、ともすれば、何かやろうとすると、副作用がすぐ頭に浮かんで何事も保守的になりがちです。

 こういう事がありました。笑い話です。
 昨年から今年の冬は特に寒かったのですが、県庁本館は部屋の中はヒーターが入っているが、廊下は入っていませんで、しかも、ドアをよく開けておくため、暖房効率も悪いということがあります。部屋の中から結構暖気が廊下に流れ出ているのに廊下がとっても寒いのは、県庁正面玄関がいつも開け放しだったということも一つの理由だと私は考えました。そこで、側近に「冬の間だけでも玄関ドアを閉めたらどうだ、検討するように担当に言っておけ」と命じました。その後はまあ、その他の重要な案件にかかりきりになっていたもので、このことは忘れていました。
 ところが、1週間経ち2週間経ち、1ヶ月経ち、2ヶ月経っても、何の反応もありません。何度か思い出した時催促しましたが、なしのつぶて。とうとう怒りが爆発して、関係者を全員集合させて雷を落としました。
 そうすると、担当部局では、一応検討したものの、次のような理由で、止めるべきだとの結論に達した、とのことが判明しました。

① 開かれた県庁というイメージが損なわれる。

② ドアに取っ手がなく開けにくい。

③ ドアが老朽化していて、閉めるとガッチャーンと壊れるかもしれない。

④ 開け閉めすると通行する人がドアにぶつかってけがをすると大変だ。

⑤ ドアを開けると、そのドアが正面廊下をドアと平行に歩いている人にぶつかるおそれがある。

以上です。よくも真面目にここまで問題点を考えついたものだと担当職員の「知力」に感動すら覚えたものですが、よく考えると皆いかがわしいものばかりです。すなわち、

① ドアが閉まっていたぐらいで「開かれた県庁」のイメージが損なわれるものか。「開かれた県庁」というのは活動のあり方や県民への接し方の問題で、正面のドアが開いているか、閉まっているかなど関係がないわい。

② それなら、取っ手をつけたらいいではないか。

③ 見た所朽ちてもいないし、開け閉めが出来ないほど傷んではいない。スムーズに開閉できるよう蝶つがいを工夫したらいいではないか。

④ こんな理由をとなえる者の家の玄関のドアは出入りをする人がけがをしないようにいつも開けてあるのか。

⑤ 廊下の幅は4m、それに対してドアの幅は1m。廊下の真ん中を人が歩いている時にドアが急に開けられてもかすりもしないわい。

 上記のように職員を論破して、すぐに閉められるようにせよ、必要な所は直せと言いましたところ、2日後には、もう直っていました。えー、こんなに速くできるのかとこれまた感動を覚えました。
 しかし、その頃は、もう春のきざしもある頃で、おかげで和歌山県庁は、暖房効率が悪いまま、寒い冬中電力を無駄に使ってしまったということになったのです。(県民の皆さん申し訳ありませんでした。)

 以上はかなりレベルの低い話です。しかし、官僚は実はもっと多くの分野でもっともらしい理屈をつけて、現状を守ろうとします。また、県庁にはないと思いますが、仕事をしたくないので、面倒は避けたいので、(へ)理屈を言って抵抗している官僚がいる所もあります。そして、そういう輩にコロッと丸め込まれて、組織全体を動かなくさせているトップもあります。

 何故そうなるか。トップに官僚の抵抗を論破する知識と考える力と勇気がないからです。上記の例は、大体のトップなら、アホかと一蹴するでしょう。でも一部にはこんな例でも丸め込まれるトップもいるかもしれません。
 ましてや、もっと高度な専門知識で、官僚が出来ない理由を述べてきた時、それを論破できないで、たたずんでいたトップの姿も目に浮かびます。それを論破できるかどうかは、まさにトップの知識と考える力と勇気にかかっているのです。私は県庁は5年目ですが、前職は官僚ですから、役所の仕事のからくりやノウハウはよく知っています。しかし、それでも県の職員と議論を戦わせながら、県の仕事を勉強していかなければなりません。ギリギリとそうやって詰めていきますと、県の職員も協力してくれて、知っている事は何でもどんどん教えてくれるのです。官僚OB以外の人には役所の仕事は難しそうに見えるかもしれませんが、それでもこうやって熱心に勉強していけば、官僚には易々と丸め込まれる、言いなりになるなどという愚かなことはすぐになくなるはずです。それがいつまでもそうだとすれば、勉強をしようという熱意がないからです。勉強をしようという熱意は、預かっている組織の機能をどうやったら高められるか、対象となる人々をどうやったら幸せにできるか、ということに対する情熱によっています。中々勉強が進まないでいつまでも部下の官僚の言いなりになっている人は、要するに、仕事への情熱や人々への愛情がないのかもしれません。

 私も人の事は言ってられませんので、常に修養を積んでいかなければならないと思います。
 そうしてトップがどーんと受け止めてくれて、最終判断をしてくれて、責任をとってくれるという前提で、よき官僚が、どんどん積極的に自分が奉仕すべき人々のために建設的な提言をしていく事が最高です。
 官僚よ、一歩前へ。

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