MM

 かつてこの欄で、皆様に、私が「KY知事」=空気が読めない知事と言われたことから説き起こして「空気なんか読んでたまるか」と申し上げたことがあります。自己保身のために右顧左眄などしないで、信念を持って、和歌山県のために論理的に正しいと思う行動をとり続けると申し上げました。

 そのとおりでありますが、信念に凝り固まって頑固になるのは困りものです。人の言うことは誠意を持って聞かないといけませんし、現代社会は変化が激しいですから、和歌山県をとりまく状況を正しくいつも把握して、これらから柔軟に対応を変えていかなければなりません。
 周りをよく見ないといかんというわけです。周りが見えないのはだめということです。これを略称で言うとMawari ga MienaiでMMということになります。

 KYはそれがどうしたということですが、MMはいけないということです。それでは、この2つの概念のどこが違うかをつらつら考えて見ました。双方とも周囲のことを色々考慮に入れているという点では同じですが、KYは自分のために、自分が不利にならないように保身を図るために周りの人たちがどう考えているかをよく把握して対応するということですが、MMは、自分のためというよりも、もっと客観的に冷静に、そして何よりも自分が尽くす対象のために利益になるかどうかという観点から考えるということではないでしょうか。

 今後とも県知事として和歌山の究極の利益を考えて、KYといわれても動ぜず、一方、MMにならぬように常に我と我が身を顧みながら頑張りたいと思います。