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仁坂吉伸の思い

へっぽこ役人発生史論

2012年09月24日

 最近は官僚批判が大変なものがあります。
 その中には、第1に正しいものもあります。悪徳役人は糾弾されなければなりません。私腹を肥やすために汚職をするなんていうのは論外ですが、組織防衛(平たく言えば自分たちの利益)のために正義をねじまげる輩は、どんどんやっつけなければなりません。

 一方、第2に間違っていると私が思うものがあります。官僚支配と俗に言われるような、出過ぎた真似をして、上司である政治家を操ったり、ないがしろにすることです。私に言わせると、操られる方が100%悪い。ないがしろにされるほど見識のない上司が来たら、部下が国民のため、その地方の住民のため、アイデアを出してよかれと思うことをどんどん提案するしかないではありませんか。もちろん上司の目を盗んで行動したり、ごまかしをしたりすることは絶対許されませんが、上司に提案し、上司がそれを受け入れたら、誰の発案にしろ、責任は上司がとるべきものです。役人は、そんな批判に萎縮しないで、どんどん提案をすべきです。

 さらに第3にもっと言われてしかるべきものがあります。それはへっぽこ役人批判です。最近は上記第2の類型の批判にかすんでいますが、本来役人に対する批判の着眼点はこちらでありましたし、これからもそうあるべきだと思います。
 例えば、上司がやれと言わないと何もしない。事なかれ主義で何事も放置する。できない理由ばかり探して来て新しい仕事をしない。前例になければ何もしない。いつも抽象的な事ばかり言っていて具体的に何もコミットしない。全力で努力します、といったかけ声ばかりをかけていて実行はしない…等々であります。私は公務員=役人=官僚は税金で養われて、人のため世のために働く役割を担っている以上、こういうへっぽこ役人が一番悪いと思うのであります。税金泥棒ではいけないのであります。

 それでは、どうしてこんなへっぽこ役人が生まれるのでしょう。それは1つは官僚の世界の中にある無誤謬性の神話であると思います。官僚は住民全体の利益を守っている人だから間違ってはいかんというのです。人はいくら間違わないようにしようとしても、必ずどっかで失敗します。どんな秀才でも、テストで100点をとり続けることはまずありえないでしょう。体操の田中三兄弟でも中々満点はとれません。ところが何故か官僚だけは失敗をするとボカボカ叩かれるのです。もちろん正当に責任は負わなければなりませんが、命をとられかねない叩かれようが罷り通ると、どうしても引いてしまって、上記のようなへっぽこ役人ができてしまいます。
 特に中央官庁の役人は、国会議員にボコボコやられることを恐れます。個人の失敗のみならず、組織の失敗をものすごく攻撃されるのです。だから、組織の過去の失敗を隠そうとするし、失敗でも失敗でないかのように嘘とごまかしで塗り固めるのです。その結果もっと失敗は深刻になります。また議会でAと言ってしまうと、今度はBだったと言うとえらい攻撃をされるのです。同様にいついつまで具体的にこれこれをやろうと思いますと言ってしまって、うまくいかないとまた死にそうになるまで叩かれるのです。そこで、どうしても、AかBかどうもはっきりしないもにゃもにゃ言葉を使うようになり、はっきりした事を言わなくなります。言質を与えないようにするのが一番かしこいというわけです。これを俗に「国会答弁みたいな言い方」と言います。県庁も多分にそういう所があります。そしてこんな事ばかり言っていると、議会対応の際のみならず、その他の局面でも、ごまかしごまかし、もにゃもにゃの対応を業とするようになり、つまりへっぽこ役人になるのです。

 もう1つのへっぽこ役人発生の原因は上司である首長にあります。官僚も組織人ですから、やはり上司の方を見ます。その上司たる首長が、その1ビジョンと情熱がなくて、その2行政技術がまるでなくて、その3決断をしてくれもせず、責任も取ってくれなくては、へっぽこ役人が大量生産されてしまうのです。
 第1は、人間はやはり気持ちに左右されますから、選挙で選ばれた首長が地域をよくしようとするビジョンと情熱がなくて、ひたすら仕事をさぼっていたら、自分だけ働くのはあほらしいと考える人が多く出ても当然でしょう。
 第2は、できない理由をちょっと述べたら首長がああそんなもんかとすぐ引き下がったら、官僚は、前例踏襲から中々出てこようとしなくなるでしょう。私に言わせるとできるかできないかは行政技術の問題で、それを全く知らない首長は、へっぽこ役人の言いなりになり、結果としてへっぽこ役人を大量生産してしまうのです。実は技術的にできないことは驚くほど少ないのです。行政技術というと難しそうですが、要は勉強してマスターしようとするか否かの問題で、何年もやっていて行政技術をあまり知らない首長は、つまる所怠けていると言ってよいのではないでしょうか。
 そして第3は、やる気になった官僚がなるほどと思う提案をしてきた時は、首長は「行け」と決断して上げなければなりません。首長自身が失敗を恐れたり、不安にかられたり、あるいは心が弱かったりで決断がつかないでぐずぐずしていると、部下の官僚はまたもへっぽこ役人に逆戻りです。また、「行け」と言っておいてうまく行かなかった時、首長が責任を部下に押しつけたりしたら、次からすべての部下が総へっぽこ役人になるでしょう。

 以上が私の考えるへっぽこ役人の発生史論です。和歌山県庁でその発生を抑えるためには、首長である私が、よっぽど頑張って「人間は失敗してもいいんだ。後は何とかするから恐れず色々考えて提案して来い」と言い続け、県政への情熱を失わず、適切なビジョンを掲げ続け、自身もよく勉強して行政技術を磨き、そしてえいやとすみやかに決断して結果の責任をとるといったことを続けていかなければなりません。和歌山県の雰囲気もへっぽこ役人を許さないように随分変わっては来ています。最近は県民から県庁の役人はようやっているねとどんどんお褒めの言葉もいただきます。しかし、長い慣習もあり、まだまだの所もあります。県庁の役人=官僚=公務員がへっぽこ役人と言われないように、これからも頑張ります。

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